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【チームの未来】黄金時代への胎動と痛み

今の広島は黄金時代の一歩手前にある。大きく飛躍する前に足を曲げる時期であると言っていい。ただし、そこに至るまでには相応の苦しみも存在する。
2006年、広島は11試合勝利なしという厳しい状況の中で小野剛監督から望月一頼監督に交代する。望月監督は、それまでの小野戦術を全否定するかのような、極端な現実的戦術を採用。4試合で2勝1分1敗という成績を残してミハイロ・ペトロヴィッチにつなげた。あの時、広島にはユースから育った高柳一誠や前田俊介、槙野智章や柏木陽介といった年代別代表の常連が存在。愛媛に期限付きで移籍していた高萩洋次郎や森脇良太を含めれば才能の宝庫と言えた。実際、ペトロヴィッチ監督は就任直後から青山敏弘と柏木、さらに高柳を重用。青山と柏木は抜群のプレーを見せ付けて広島の若い力のレベルを見せ付けた。
その時ほどのスケール感があるかどうかは別として、今の広島にも若いダイヤモンドたちはいる。24歳の吉野恭平を筆頭に、川辺駿、森島司、松本泰志、川井歩、川村拓夢、大迫敬介、東俊希、松本大弥。彼ら全員が年代別代表経験者だ。現時点でレギュラーを確保している選手は1人もいない。吉野と川辺がその寸前にいるが、他の選手たちはまだまだだ。だが、紛れもなく光る才能はある。
ただ、才能があるからといって、みんなが大輪の花を咲かせるわけではない。

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