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【2019シーズンに向けて】稲垣祥/このクラブが好きだから

「稲垣祥(広島)にC大阪からオファー」

スポーツ紙の見出しに、サポーターの心は揺らいだ。馬渡和彰が川崎Fに移籍し、宮原和也も名古屋への完全移籍が決まった。これまで成り行きを考えた時、こういう報道が出た選手のほとんどは、報道どおり移籍してしまうもの。

「稲垣までもか」

選手が移籍を決断する理由は様々だ。年俸、環境、チームの成績、カテゴリー、出場機会。時にはクラブには何の不満もないが、家庭の事情で広島ではなく実家の近くのクラブに移籍したいという申し出もある。だが、サポーターは「自分たちが応援するクラブに魅力がないからだ」と考えがちだ。事情は複雑で、そう単純なものではなく、クラブと選手、互いにプロとしての決断で愛するクラブを離れないといけない場合もある。

稲垣にオファーがあったことは事実だ。「プロとして評価されることは嬉しい」と彼は率直に語った。完全移籍でオファーしてくるということは、違約金も満額支払い、年俸も広島以上のものを呈示した可能性も高い。普通に考えれば、そういう条件を用意しないと選手の心は動かないし、獲得はできないからだ。今季、多くの選手がJリーグ内移籍を決断したのだが、そういう条件提示を受けないとそもそもの話が動かない。

では、稲垣祥はなぜ、広島残留を決断したのか。

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