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【第2節磐田戦に向けて】野上結貴/才能の塊、リーダーとしての自覚も

 人の才能がどこにあって、どれほどの大きさがあるのか。

 そういう秤があれば、どんなにも楽だろう。教育も進路も、自分自身のメンタルにしても、あるいはマネジメント方法にしても、才能秤の数値で決めることができる。才能を見極める側の目によって、将来を左右されるような悲喜劇も起きない。親と子が進路について対立することも少なくなる。

 野上結貴という選手に対して、筆者は常に、その才能を評価してきた。そして、彼の持つ才能をどうしてもっと早く、気づいてやれなかったのか。そこに関して、いつも疑問に感じる。

 考えてみれば、人の才能をどう測るのか、決まった物差しは存在しない。久保竜彦のような、あれだけの巨大なタレントの塊を広島に加入するまで誰も見抜けなかった。彼の母校である筑陽学園高の吉浦茂和監督を除いて。他にも、岡崎慎司は清水加入時はFWの評価ランキングでチーム最下位だったと、当時の長谷川健太監督が告白している。本田圭佑や中村俊輔はJクラブのジュニアユースに在籍しながらユースには昇格できなかった(同様の例は森重真人をユースに昇格させなかった広島にもある)し、堂安律もC大阪のジュニアユースに入れなかった。香川真司のように早くから才能を見抜かれ、順調に成長していった例もあるが、他の選手たちの事例を考えてみると、やはり香川や南野拓実らは幸運だったと言える。近くに彼らの才能を見る眼力を持ち、成長の道筋をつけてやれる大人がいたということだ。

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