【Jリーグ第3節・C大阪戦】森島司/チャンスの順番
昨年のリーグ戦はわずか1試合だけ。しかもたった2分間だけ。
その実績に第3節で並び、出場時間では追い抜いた。しかし森島司に心からの笑顔はない。
「ずっと守備ばかりだったので」
18分間の出場だったとはいえ、チーム全体が「1点を守りきろう」という姿勢が明確になった中でシャドーに入り、ずっと孤立化しての戦いだった。それだけに、試合に出たという手応えもそれほど感じられなかったのかもしれない。
だが、森島にとってこの出場は、自身のサッカー人生にとって大きな節目となるはずである。
昨年は左手の骨折という大きなケガもあった。一方で交通事故もあり、サッカーだけでなく普段の生活の上でも苦しみ続けた。シーズン前はまるでクラブのイメージキャラクターのように取り上げられ、ユニフォームのモデルも務めるほどに期待されていたのに。
決して、全てが悪いというわけではなかった。ルヴァンカップでは松本泰志とのボランチコンビでクリエイティブなプレーを演出。彼の持つアイディアや技術の高さはダレも否定しえないものがある。だが、それでもリーグ戦には使ってもらえない。松本泰志は抜擢を受け、東俊希は切り札としての役割を担い始めているというのに。
タイキャンプでの森島も、決して悪くはなかった。いや、むしろ良かったとみている。決して活動量が多いタイプではないが、要所でビッグチャンスに絡み、変化をつけた。ボール保持をしながら相手のブロックを崩すためには、遅攻でも速攻の状態をつくるために相手を前におびき寄せるか、ブロックを揺さぶるための意外性を発揮するか、それとも相手を吹き飛ばす強いフィジカルか。森島は「意外性」を演出できる希有なタレントなのである。
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