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青山敏弘物語〜逆境〜 第17章/J2開幕

始まりは、青山敏弘のゴールからだった。

2008年J2リーグの開幕・対草津戦。3万人近い観客がつめかけ、前年の2冠王者である鹿島との対戦(ゼロックス・スーパーカップ)は、多くの人々の耳目を集めた。しかし翌週、群馬県立敷島公園県営陸上競技場に集まった観客は6974人。これが、現実だった。しかし、受け入れるしかない。J2に降格したのは自分たちの責任である。

青山敏弘は、先発のピッチに立った。圧倒的にボールを支配するその中心には、まぎれもなく6番の姿が。前年途中まで1ボランチで広いスペースを埋めていた。そのシステム上の問題がカウンターをくらいやすい状況を生んだことは明白で、途中から森崎浩司がボランチでプレーし、バランスをとるようになっていた。そしてこの開幕戦も、同様の起用。本来のレギュラーである森崎和幸は、グロインペイン症候群のため欠場が続いていた。浩司との関係は決して相性が悪いわけではなかったが、青山の負傷離脱の影響でまだ「阿吽」というまでには呼吸を合わせられていない。そこが、パス回しのぎこちなさを生んでいた。

44分、停滞を打破しようと平繁龍一がドリブルで左サイドから切り込む。決然とした男の勝負。ザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)のDFは慌てた。シュート。GK北一真がはじく。しかし、そこにいたのが青山だ。彼のプレーの特長はダイナミックな展開力とよく言われているが、もっとも特長的なプレーは3列目からゴール前に飛びこんでいく迫力である。「エンジン」と賞される規格外の運動量は、2列目も1列目も追い越してゴール前に忽然と現れる。そんなプレーをされたら、誰もマークできない。

2008年サンフレッチェ広島の初ゴールは、青山敏弘のスペシャルなプレーから生まれた。2点目となり試合を決定づけた平繁のゴールも、青山の見事なサイドチェンジが起点となった。

「コンディションはあがっている。今日は攻めに絡めたし、サイドチェンジもできた。感覚は戻ってきています。特にサイドチェンジは、相手が4バックでサイドが絞ってくるので、狙っていました。2点目は、みんなが同じ意識でいい形をつくれたと思います」

笑顔の青山。サッカーがやれているという喜びが、全身から現れていた。ペトロヴィッチ監督も「コンディションはあがってきているね」と愛弟子の状況を前向きに捉えた。ただ、青山の出来はともかくとして、チームとしてのパフォーマンスにはとてもではないが高い評価を与えられるものではなかった。

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