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【SIGMACLUB NEWS】SIGMACLUB最新号立ち読み/森島司ドキュメント

 シャドーはまさに多士済々。柴﨑晃誠、野津田岳人、ドウグラス・ヴィエイラ、渡大生、川辺駿……。様々な選手が起用されていた。その中で森島の特長を生かし、出場機会も与えたい。どうすればいいか、指揮官は考えた。出た結論が「右ワイド」での起用である。縦への推進力に加え、正確なキックも持っている。スピードもある。論理的に考えれば、悪くない選択だ。もちろん、彼が真ん中で活きることもわかっていたが、現実問題として2チーム分の戦力を揃えようと考えたならば、サイドアタッカーの層を厚くしないといけないという現実もある。

 しかし、森島の捉え方は違う。

 「どうして、ワイドなんやろう。シャドーで結果を出しているつもりなのに」

 人間関係とは複雑である。城福監督に若者を傷つける意図など、あるはずもない。むしろ、可能性を広げてやりたいと願っていた。森島が本来は真ん中でこそ力を発揮できることもわかっている。しかしサイドをやることで「個人でボールを運ぶ」という意識を強めることもできるはずだ。広島に足りない「個で相手を剥がす」ことへのチャレンジは、森島の未来にとって悪い経験ではない。

 でも若者には、そういう相手の想いがわからない時期がある。父親のような愛情が見えない時もある。

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