再現性の低いサッカーに未来はないのか?風間グランパスとポステコ・マリノスで分かれた明暗(J論)

SIGMACLUBweb

【紫熊の戦士】佐々木翔/自分たちは土台。

歴史に残る激戦。川崎Fが札幌をPK戦の末に下してルヴァンカップ初優勝を果たした。

Jリーグファンとしてはその劇的なストーリーを堪能できた。それはそれで感動的。しかし、広島に関わるものとしてはやはり、悔しい。今日、埼玉スタジアムのピッチに立ちたかったときっと選手たちは思っているだろうし、筆者も広島を追いかけて現地で取材したかった。ここまで3度のJリーグ優勝を果たしながらカップ戦ではタイトル獲得経験なし。ルヴァンカップ・天皇杯も含め7度も決勝に進出しながら一度も優勝していない。そんな広島をサポートしている者としては、ルヴァンカップ決勝5度目にして初の戴冠を果たした川崎Fを祝福しつつも、心のどこかで忸怩たるものを感じている。

札幌と川崎Fが華やかな舞台で戦っている中、広島は吉田サッカー公園で地道に、浦和戦への準備を続けている。昨日は4対4+GKというチーム構成で、ハーフコートでのハードなミニゲームを行った。今日はコンディション調整を考えたフィジカル的にはそれほど強度が高くないメニューの中、ポゼッションや攻撃の形の確認が行われた。神戸・清水と内容の伴った試合で連勝していることもあり、チームの雰囲気は明るい。

連勝できているからすべてがOKというわけではない。神戸戦では2失点、清水戦では立ち上がりで何度もピンチを招いたあげく、先に失点を許している。一歩間違えれば連敗した可能性もあった。攻撃のところは悪くはないが、失点を重ねると安定して勝点を積み上げることはできない。

その課題を当然、守備陣は自覚している。たとえば佐々木翔は、冷静だ。

「(清水戦、前半途中からペースを握れたといっても)相手が先制したことで、ボールに対してアグレッシブにこなくなった。その事実は確かですし、僕らにとっては逆にメリットとなった。もちろん、相手の状況を利用してボールを動かし、結果につなげたことはいいことなんだけど、それを自分たちが主導してつくっていかないと。相手の影響どうこうではなく」

失点についても、佐々木の視点は事実の先にある。

「シュートまでいかれたことや相手がそこでミスしてくれたこと、スーパーなシュートで失点したことよりも、そこに至るまでの過程が問題。最初の10分間、みんな(身体が)重そうに見えたし、それがそのまま結果につながってしまうと最悪。1失点に抑えられたことが勝利につながったことは確かですけどね。失点につながるまでの過程で、どういうアプローチを行うべきか。ただ、こういうところから学んで、修正しないということではあるんだけど、それを勝利しながらできる。本当にいいことですよね」

もちろん、守備のところでは本当に頼もしいと感じさせる佐々木ではあるが、今の彼の魅力は攻撃性だ。左サイドでの崩しが広島のストロングポイントであることは論を待たないが、その要因は柏好文・森島司・佐々木翔、この3人の関係性が美しく構築されていること。今の佐々木はストッパーとして相手を止めることだけが仕事ではない。

(残り 2103文字/全文: 3345文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック