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【紫熊の戦士】荒木隼人/日本代表選出はトレーニングの成果

レアンドロ・ペレイラvs荒木隼人の対決は、トレーニングの華だ。

広島のFW陣ではもっともフィジカルが強く、駆け引きも長けているのがレアンドロ・ペレイラ。守備陣の中で高さと強さではもっともレベルが高いのが、荒木隼人だ。個対個での対決では、これ以上の迫力あるセットはあるまい。

彼らだけを見ていた。これぞプロ、そう言いたくなるほどのハードな戦いぶり。密着しようとする荒木。はねのけようとするペレイラ。前に行くと見せかけて止まり、裏をとろうとして引いてボールを受ける。駆け引きを弄して荒木を剥がそうとするペレイラ。守備はどうしてもリアクションになってしまうが、FWが仕掛けるかけ引きに対応できる姿勢を続け、相手の動きに対する予測を張り巡らせながらも、ペレイラのプレーをことごとく邪魔をする。それでもボールを収めキープするペレイラとはねのけようとするFWを押さえ込もうとするDF。トレーニングではあるが、いやトレーニングであるからこそ、遠慮のない戦いができるのかもしれない。

かつて城福浩監督が「広島のトレーニングではバチバチと厳しく戦うことがベースにある」と語ったことがある。プロである以上、トレーニングは日常であるが、その現場で鎬を削るほどの戦いが繰り広げられるか、それとも調整に終始するかでは、チームも個人も成長は天と地ほどに違うのだ。しかもそれは、1日だけやればいいとか、キャンプだけでやれけばいいというものではない。ずっと継続していないと、成長は継続しないのだ。

荒木が日本代表に選出されたのは、ただ彼の持っている身体能力だけが理由ではない。

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