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【2020紫熊の戦士】柴崎晃誠/マエストロの目標は点をとること

ベテランに伸びしろがないなんて、誰が決めたのだろう。

たとえば門田博光という20世紀のプロ野球を彩った大打者は、40歳にしてホームラン王・打点王の二冠に輝き、MVPを受賞している。広島カープの歴史に残る大投手・大野豊は40歳をすぎても150キロに迫るスピードを誇り、41歳で最優秀防御率のタイトルを獲得。サッカー界でいえば、三浦知良は34歳でJ1での二桁ゴール(11得点)を記録。39歳でもJ2とはいえ39試合出場6得点。1試合の肉体的な負荷が強烈なサッカーの世界でも、ベテランは闘っている。

かつてミハイロ・ペトロヴィッチはこんなことを教えてくれた。

「技術は衰えない。ディエゴ・マラドーナは今も世界でもっとも上手い。ただ、彼は走れなくなったから引退するんだ」

昨年末をもって引退したダビド・ビジャのプレーを見て「技術が落ちた」とは誰も思わない。広島戦で見せた古橋へのアシストは超絶な技巧を誇った。それでも引退を決断したのは、ビジャが自分のイメージどおりに走れなくなったからだ。

そういう意味では、今年の8月で36歳を迎える柴崎晃誠は凄まじい。ボールを止める・蹴る、スペースを見つけるなど、サッカーの技術やスキルの面では、今もトップクラスだ。それに加えて、彼は走れる。指宿キャンプ2日目の1分間走においても、多くの選手たちが苦しそうな表情を浮かべるなか、笑顔すら見せていた。若い頃に国見高や国士舘大で鍛えられた財産が、今も彼の中に活きているということか。

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