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【広島1-0湘南】本物になりつつある若者の台頭/森島司と浅野雄也

いきなりの決定機だった。輝いたのは、U-23世代。大切な若者たちである。

相手のクリアを拾った森島司が浅野雄也につなぎ、レアンドロ・ペレイラから森島へ。

ダイレクトクロス。そしてダイレクトボレー。

ほぼ完璧なプレービジョン。残念ながらシュートがジャストミートできなかったが、湘南の守備をあっという間に崩したシーンだ。開始1分にも満たない時間帯で、シャドーの若い二人が力を見せ付けた。

湘南はここから立て直し、持ち前の激しいプレッシャーをかけて広島を追い込んだ。だがここで目を引いたのが「前に出る」守備である。湘南が指宿洋史の1トップを起点としてシャドーに置いた福田晃斗と岩崎悠人の二人の「モビリティ」を活かそうとしてきたのに対し、広島は逃げなかった。その中心にいたのが、この試合で指宿にほぼ何もさせなかった荒木隼人である。

「湘南の攻撃はほぼロングボール。当然、ラインを高く設定するとリスクは高いが、そのリスクを受け入れて戦った」

城福浩監督の言葉どおり、広島は指宿の存在と長いボールの連続に臆することなく、「前へ」の意識を忘れなかった。その組織が結果として湘南を追い込むことにつながる。

18分、相手が自陣に9人、引きこもる中でボールを繋いだ。レアンドロ・ペレイラが左サイドに流れてボールを受ける。ここで森島が中に入り、浅野といい距離感を保った。野上結貴から縦パスを受けた浅野は森島とのワンツーを敢行。相手が予測してスライディングする中、しっかりと繋げた森島の技術。パスを受けた浅野が仕掛けたい気持ちをグッとこらえ、森島に「シュートを打ってくれ」と言わんばかりの優しいパスを贈った判断もいい。森島がダイレクトで撃たず、右足に持ち替えたが故にシュートブロックにあってしまったが、二人の関係性の確かさを証明したシーンだ。

それにしても、シャドーに入った浅野雄也がなんと活き活きとしていることか。

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