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【広島1-1仙台】トレーニングの必要性。そして希望も垣間見えた最後の10分。

 

スポーツだから、全てがいい試合など存在しない。驚異的な快進撃を見せる川崎Fですら、内容が厳しい試合がある。

ただ、それにしても広島対仙台戦は、難しい試合だった。そして「練習」の重要性をこれほど感じた試合もなかった。

広島は練習でクオリティをあげていくチームである。個人ではなく組織で攻撃も守備も構築する。それは、城福浩監督就任前もそうだった,森保一元監督もミハイロ・ペトロヴィッチ元監督時代も、その前からずっと、トレーニングで強くなってきた。「育成型クラブ」の真骨頂だ。

今季はその練習ができない。もちろん、6月には既にわかっていたことではある。だが、わかっていたから対処できるという問題でもない。人は全て、現実で生きている。現実がふりかかってきて初めて、問題の深刻さがわかる。予測は想像に過ぎず、準備は想像の中でやることで、現実とは違う。

トレーニングができないことの最大の課題は、コンビネーションだ。もちろん、チームとして戦うべきコンセプトはある。だけど細かいポジションどりやパスを欲しい場所、クロスへの入り方などは、ミーティングだけでは修得できない。強度の高いトレーニングの中で試行錯誤しながら感じあい、修正しあってこそ、コンビネーションが研ぎ澄まされる。昨年夏、湘南戦以降で「自分たちのサッカー」を確立して以来、城福監督はそうやってチームをつくってきた。

今はどうしてもコンディション優先になる。この猛暑の中で2週に3度のローテーションでは、週に1度の試合の時もコンディショニング優先。仙台戦に向けてのトレーニングでも、試合の後は連休をとり、先発組はオフ明けの水曜日も軽いランニングなどで練習を終えた。そうせざるをえなかった。木曜日の紅白戦もそれほど長い時間はできない。試合前日はもちろん、強度の高い練習は無理だ。

この過酷な戦いの日々の中では、選手の固定化も難しい。パスサッカーとは本来、阿吽の呼吸をつくりあげるために選手の固定化とセットになるものだ。それが厳しい時はトレーニングで選手個々とグループの動き方をブラッシングしないといけないが、それができない厳しさ。パスミスが多いように見えた仙台戦、それはパスの出し手とか受け手の問題ではなく、コンビネーションが熟成していないことが要因だ。「3人替わればサッカーが変わる」とはヴァレリー・ニポムニシ元監督の名言だが、今季の広島は常に「サッカーが変わって」しまっている。

もちろん、それは広島だけの現象ではない。リーグの上位を見てみると、熟練の川崎Fにはレアンドロ・ダミアンという強烈な個がいるし、ドリブルもシュートもいける三笘薫や旗手怜央という新星が飛び出したことで、得点がどこからでもとれる陣容になった。FC東京や名古屋はシンプルな堅守速攻型で、前線には個人で打開できる強烈な個を複数枚、準備している。一方で、強烈な個を持っていても、ベースにコンビネーションを活かした攻撃サッカー志向の神戸や横浜FMは失点が多く、苦戦中だ。

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