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【広島4-1清水】エゼキエウ/いい守備はいい攻撃に直結する

驚きはゴールではない。そのゴールが生まれた過程にある。

スタートは自陣深く、広島にとっての左サイド。ボールを保持していたのは、ジュニオール・ドゥトラ。フィジカルが強く、スピードもあるアタッカーだ。

マークについたのはエゼキエウ。この日のスタメンで最も守備が不安視された選手である。

「彼がこれまで育ってきた環境もあって、広島に来たときは守備(の意識やスキル)がほぼほぼゼロだった。僕らからしたら最低限のことを要求しているつもりでも、彼からするとすごく守備を求められていると感じたと思います」

城福浩監督の言葉である。実際、鹿児島キャンプに合流した時、指揮官とエゼキエウはピッチの上に座り込んで、ホワイトボードを使いながら守備の動き方の勉強会を行っていた。指揮官の言葉に頷く若者。しかし、練習試合になると、そこを忘れてしまう。あげくに、相手から削られて感情的になり、自分からピッチを去ったこともあった。

ブラジルよりも守備の意識が高く、スペースのないJリーグにおいて、エゼキエウのような小柄なアタッカーが成功を果たすのは時間がかかる。例えば、ジュニオール・サントスなどは、あれほどのフィジカルがあるからこそ、突破もいきる。しかし、エゼキエウの場合は間合いを掴まないとすぐに屈強なDFに潰されがち。実際、キャンプでの練習試合でも彼が有効な突破を見せられずにいた。

ボールを持って、相手と正対して、フェイントでかわして。そんなことがアベレージでできるほど、甘くはない。スペースを消されれば、彼の持つスピードも「持ち腐れ」状態になる。マルコス・ジュニオールのような「3人目の動き」が上手い、戦術能力の高い選手であれば問題はないが、エゼキエウはまだまだそこは磨かないいけない。

ただ、リズム感は面白いし、切れとスピードはある。自分自身の武器の使いどころを理解できれば、間違いなく成長できる。そのためにはまず、エゼキエウに守備を求める必要があった。チームのために個人があるわけで、個人のためにチームがあるわけではないということ。そこを理解できずに、チームの一員になれない。ロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)の評価が高いのは、バイエルンのハイプレスサッカーに多大なる貢献を行っているからだ。彼は得点能力と守備力を備えた、まさにモダンなストライカーなのである。

キャンプで力をアピールできなかったエゼキエウは、開幕戦のメンバーから外れた。そしてすぐ、コロナ禍。来日予定だった新妻はブラジルから出られず、一方で思うような評価も得られない。力を発揮したくても、肝心の試合がない。

「試合の予定もないのに、どうして強度の高いトレーニングが必要なのか」

それはまだ緊急事態宣言の前であり、Jリーグが4月5日に再開される可能性もある時。そのためにコンディションを落とさないでおこうというのは当然だったのだが、サッカーもうまくいかず、感染していなくてもコロナの影響を様々な形で受けていた生活の状況がエゼキエウの気持ちをネガティブにさせた。

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