【広島1-2G大阪】柏好文/クロス
かつて広島には駒野友一と服部公太という名クロッサーがいた。
しかもこの2人はそれぞれ、ホットラインを組んでいた。駒野は佐藤寿人、服部は久保竜彦。名だたる名FWの求めるクロスをもミリ単位の正確さで供給していた。
「公太もコマも、ボールが重い」
久保竜彦さんの言葉である。盟友・服部のクロスの質は特に「重かった」という。
「フワッとあがってきたり、低くて速いボールもあったけれど、とにかく重い球質なので、当てるだけで強いシュートが撃てる」
駒野・服部以降、広島には目立ったクロッサーは出てきていなかった。
ミキッチも柏も、ドリブルのイメージが強いが、クロスの成功率でもJ1で屈指。トップに立ったこともある。だが、そのクロスがゴールを量産したという感覚はない。柏の場合は2015年チャンピオンシップ第2戦、浅野拓磨の同点弾を演出したクロスは印象に残っている。しかし、やはり柏はドリブラーであり、昨年の8得点という活躍を考えても、彼はシューターとしての魅力が大きい。
ところが、今年の柏は違う。ここ5試合で4アシスト。うち3アシストはクロスからだ。
恐怖のドリブラーというイメージから最高のクロッサーという印象になりつつある柏好文のクロスも、久保さんが言うところの「重さ」を感じる。ドウグラス・ヴィエイラへの三つのアシストも、そしてレアンドロ・ペレイラへのアシストも、彼らはそれほど頭を強く振ってはいない。しっかりとコースを狙い、首を固定して当てるだけだったというイメージだ。それだけ、柏のボールに威力があったということか。
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