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【スタジアムグルメ】神戸戦で鮭まつり開催!

エディオンスタジアム広島に「スタグル」が戻ってくる。

いや、正確に言えば、まだ戻っていない。

今季のエディオンスタジアム広島のスタグルは、お弁当や串もの、そしてスムージーなどはあった。しかし。

「パリオコ」もない。今季の目玉の一つだった「ポリポのパスタ」もない。「牛すじうどん」もなければ、「牛カルビ丼」もない。

この状況は、他のスタジアムでも大きく変わらない。少なくとも、サッカーのスタジアムは日常に全く、戻れていないのだ。

その中でも今日の神戸戦、「鮭まつり」という形でスタグルが戻ってくる。

それにしても、「広島で鮭?」という感覚ではある。

今回、提供されるのは、「広島サーモン」だ。

サーモンと名付けられているが、正確に言えばサケ科の「ニジマス」である。ちなみに、日本の鮨屋で「サーモン」として出されるネタは、ほとんどがニジマスだと言われている。

昔からサケの仲間には寄生虫が存在する可能性があったため、生で食べてはいけないとされてきた。それが養殖技術の進化によって、しっかりと管理された養殖モノであれば生食が可能になった。

広島サーモンは、その採卵から育成まで全てが広島。広島県産応援登録商品に認定され、新しい広島名産として成長が期待されている。

鮭にしてもニジマスにしても、産卵のために川を上り、孵化した稚魚が海へと下るという性質を持っている。

海にくだった稚魚は川の時よりもグンと成長し、身にはギュッと旨味が凝縮される。その成長ストーリーを人工的に再現させたのが「広島サーモン」だ。

故郷は万古渓。

広島と山口の県境を流れる清流・小瀬川の支流にある峡谷だ。

全長約700m、落差20メートルにも及ぶ「ふぶきの滝」など、美しくも力強い風景が楽しめる名勝である。

その近くにある万古渓養魚センターは、釣り堀と食事処を併設した老舗の料理屋で、釣り堀で釣った魚をそのまま調理して提供するスタイルが人気を集めている。

近くを流れる七瀬川や山々の美しい光景を見ながら、臭みがまったくない川魚を食べるのは、なかなかの贅沢だ。

この施設が持つ養殖施設で、広島サーモンの稚魚たちが育つ。

美しい七瀬川の水で暮らした稚魚たちは2年をかけて大きく成長し、冬に海へと旅立つ。瀬戸内の漁場・大崎上島が成長の舞台だ。

翌年の初夏まで海で暮らした広島サーモンは、再び万古渓へと帰ってくる。

万古渓養魚センターで徹底管理された美しい水が満ちた広々とした池の中で育ち、そして市場へと旅立つ。

ビタミンCがたっぷりと含まれている広島レモンの入ったエサで育ちながら。

広島の川と、広島の海と。

二つの環境で育ち、広島産のレモンを食べてきた広島サーモンは当初、春季限定での提供となっていた。

サーモンは低い水温を好む性質を持っているため、養殖とはいえ水温の高い夏や秋は提供が難しいと言われていた。

しかし2015年、新技術が導入されて春以外の季節にも提供可能となったことにより、この時期の「鮭まつり」が可能になったのだ。

広島サーモンは認定養殖場のみで育てられているため、提供の数量は限られる。

しかし、いやだからこそ、品質は確かだ。完全広島産であることから鮮度は申し分ない。

さっぱりとした脂身と確かな旨味が特長の広島サーモンの包み焼きと大人気おにぎり「サンチェのはな」をセットにして900円。

数量限定ということで、ここはぜひ、食べておきたい。

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