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【広島2-1神戸】エゼキエウ/ブレイク寸前

 

やれば、できる子なんです。

エゼキエウに対して聞かれると、こんな答えしか言えなくなっていた。

ホームの清水戦で見事なゴールを決めた後、試合に出てもインパクトの強い結果は出せず、練習でも今一つ。

スピードもドリブルも「圧巻」というプレーがなかなか見られなかった。

時折、ギラリと鮮烈な輝きを見せることはあったとしても、それがなかなか継続しない。

それでも城福浩監督はエゼキエウの潜在能力を高く評価し、彼を戦力化するために様々なアプローチを試みた。

言われたことは理解しようとするし、修正されればやろうとも試みる。

しかし、それがなかなか続かない。前述したように、継続性が大きなポイントであった。

今回、そういう彼を先発で起用した意図を沢田謙太郎ヘッドコーチはこう語っている。

「川崎F戦でのプレーは、切れがあった。今はまだ、それしかないんだけど「切れ」というところは攻撃での威力が見える。ただそれだけではもちろん、足りない。チームとしてやるべきことを90分の中で10回しかできないのが現状なら、次は30回やれよっていうことを求めたい」

神戸戦、彼は強い気持ちをもって、ピッチに立ったはずである。

これまで彼の不安定さの要因となったのは、新型コロナウイルス感染拡大のため愛妻がブラジルから出られないという孤独感からだった。初めての海外で9ヶ月も1人きりだったことが、22歳の若者には耐えられなかった。その私生活での不安が、プレーにも露骨に現れていた。

しかし、もうその不安はない。10月9日、妻はついに夫と共に暮らし始めた。

「彼女が来日してからは、毎日楽しく過ごしています」

12日、エゼキエウは満面の笑みで語った。

「料理も美味しい。カルボナーラが得意なんだよ」

家族が側にいる。孤独じゃないんだ。

その実感が出てきた時、もしかしたらエゼキエウに変化が出てくるのではと期待した。

川崎F戦で萌芽を感じた城福浩監督は、彼の先発をプラン。その計画を沢田ヘッドコーチが受け継いだ。

驚いた。

まず、ボールを失わない。

今までのエゼキエウは、仕掛けても「抜ける」という確信がるわけではなく、屈強な守備者たちにことごとくボールを失ってきた。

だが、神戸戦での彼はほとんど、ボールロストがない。

プレスをかけられても、ボールを奪われないような場所に置く。

簡単に言えば、それができるようになったということだが、その「簡単にいえば」が難しい。

ボールを自在に操る技術が必要だし、激しく速い動きの中で周りを見ること、場所を見つけることも重要になる。

神戸戦で彼がこのスキルを見せたということは、一つにはそういう能力を持っていたということ、

もう一つは日本のサッカーに慣れてきたということに繋がる。

やはり、できる子だったのだ。

45+3分、彼の能力が爆発したシーンがある。

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