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【PRIDE OF HIROSHIMA】永井龍/不運の中の幸運と驚異的な回復

その瞬間、「バキッ」という音が響き渡った。

芝生の上に身体を横たえた永井龍は、襲い来る足首の痛みと、そして悔しさに耐えきれなくなった。

何度も、何度も、地面を叩く。

「あかん。骨や。骨が折れた。あんなに大きな音がしたんやから」

その音は、副審にも聞こえたほどの音量。確実に折れたと思った。

「なんで、このタイミングで。せっかく、チャンスをつかみかけていたのに。

10月10日、豪雨の中での清水戦。鳥栖戦に続いて今期初の2戦連続スタメンで起用された永井は「今度こそ、ゴールを」という気概に燃えていた。前節は素晴らしいランニングで相手の攻撃を封殺し、80分で31回という驚異的なスプリントで攻守に貢献。交代時はサポーターから万雷の拍手を浴びた。

しかし、永井はストライカー。「ゴールを決めてナンボ」が口癖でもある。実際、トレーニングでは素晴らしいゴールを何本も決めていて、「次はゴールもいけるんじゃないか」と周囲も言い合っていた。

だが、好事魔多し。好調の時ほど、サッカーというスポーツには「ケガ」という落とし穴が待っているもの。

26分、相手にプレスをかけようとした永井は、濡れた芝生に足をとられて転倒した。その時、身体全体に急ブレーキがかかったようになり、足首に過度な負担がかかってしまった。その状況が、ケガを誘発してしまったと言える。

だが、神様は好漢を見捨てていなかった。ここまで真摯に、ストイックに自分を磨き続けた男に、惨すぎる試練は与えなかった。

骨には異常がない。音は大きな負荷がかかった関節が鳴ったもので、その部位も大きな異常はなかった。

「もし、足のつきどころが悪かったら、1年半〜2年くらい、復帰まで必要だったかも」

ドクターの言葉に永井はぞっとした。そして、心から安堵した。

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