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【広島0-0仙台】あまりに悔し過ぎる勝点1。しかし全員で奪った勝点1。

絶対に結果が欲しかった。

「この試合が、自分にとっての全てだった」

広島移籍後、初出場となった櫛引一紀は言う。

その気持ちはおそらく、井林章も野津田岳人も、大迫敬介や藤井智也も、そして土肥航大も、同じだったはずだ。

勝点1ではない。勝点3が必要だった。

仙台に勝ったからといって、すぐに序列が変わるわけではない。

しかし、これからの連戦を考えた時、このメンバーで勝利できるという実感を与えることがどれだけのメリットを生むか、彼らはよくわかっていた。

だからこそ、引分けを負けたかのように感じてしまったのだ。

勝点3をとれなかったことが、絶望を生んだのだ。

15試合連続勝利なし。どん底にあえぐ仙台は、ボールを大切にするサッカーを放棄した。

当初の方向性が「つなぐ」だったことは、試合後の会見で「ロングボールを放り込む戦術だった」と地元記者がくり返し質問したことからもわかる。

広島の攻撃的な守備を警戒したのか、勝点をとるために守備的に闘う決意をしたのかは、わからない。

いずれにしても、仙台はラインを自陣奥に引き、前線のツインタワーに向かってボールを蹴るやり方を選択した。

しかし、広島の積極的な守備は相手に正確なロングボールを蹴る余裕も与えない。

セカンドボールを支配し、相手陣内でサッカーを行うことができていた。

前半の仙台が放ったシュートはゼロ。完璧に浸る広島は彼らを抑え込んだ。

だが、引いてスペースを消す相手に対してゴールを決めることは難しい。

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