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【広島1-0C大阪】選手とサポーターと、全員で闘った。そして川辺駿の判断。

頑張れ、頑張れ。

頑張っているのはわかっている。でも、頑張れって言いたい。どうしても、気持ちを伝えたい。

でも、叫べない。応援の歌すら、歌えない。

では、サポーターはどうすればいいのだろう。チームを勝たせたい。勝たせてやりたい。

そのための方法は、何なのか。

紫のサポーターは、手を叩いた。必死で、叩いた。それしかない。だったら、全力で叩くんだ。

拍手がヤンマースタジアム長居の銀色の屋根に響いた。

数の上では桜のサポーターに敵わないかもしれない。

でも、その拍手の音量は圧巻だった。

クリアするごとに、クリアするごとに、紫の拍手は増幅していった。

拍手が響く度に、紫の戦士たちの集中は増幅していった。

印象的なシーンがある。

アディショナルタイムに入った後、川辺駿が突然、ボールを前に運び始めた。

高木俊幸からボールを奪い、推進力をもって、前へ、前へ。

間違いなく、疲れているはず。しかし、彼の足は止まらない。

C大阪の選手たちは慌てた。必死に追う。ブルーノ・メンデスが身体をつかもうともがく。

しかし、ボールは川辺のものに。

どうする。どうする、8番。

キープに入るか。しかし、1人少ない状況で他の選手たちのサポートもない。

川辺は決断した。勝負のスルーパス。

ここに来て、ここに来て、トドメを刺しに行ったのだ。

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