【サッカー人気3位】なぜ強化に継続性がない? なぜ出戻り選…

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4チーム降格の厳しいレギュレーション。サバイバルのために出でよ、ストライカー。

4チーム降格。このレギュレーションが突き付けるものは重い。

広島のように予算が少ないクラブは常に、目標は残留である。J1に残るという現実の前に、多くの理想は吹っ飛ぶ。

2007年、降格が決まった時にチームに降り掛かってきた現実は、筆舌に尽くしがたいものだった。サポーターの心は荒れ、すさみ、クラブを批判が覆った。筆者が書く記事も降格の一因だと指摘され、悄然とした思いに囚われた。クラブに未来などなく、やがては消えてなくなるものだと指摘されもした。

この時は、どんな批判を浴びようとも決然と信念を貫き、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の続投を降格決定当日に決めた久保允誉社長(現会長)の存在と、「これほどの信頼を突き付けられては、ここから逃げるわけにはいかない」と辞任よりも厳しい「継続」を決断したペトロヴィッチ監督の情熱によって、チームはそこからV字回復を遂げた。

ただ、この2007年からの物語は、ある意味では奇跡なのである。2度と同じことは起こらないと思った方がいい。広島よりも予算的には潤沢なクラブが、J2の沼から抜け出せなくなることもある。

大切なのは、J1に生き残ることだ。2024年には新スタジアムが待っている。そこまで、何がなんでもこのステージにしがみつくことだ。

では、どうすればいいか。

よく言われる残留ラインは、試合数×1.0の勝点。ヨーロッパの主要リーグは、試合数や降格数が違っていたも、ほぼこのライン前後に落ち着いているようだ。

だが世界に冠たる混戦のJ1リーグの場合、これまでは勝点40が残留確定ラインと言われていた。試合数×1.0=34。そこに勝点6(2勝)を加えた数字を広島は常に目標としていた。かつて森保一監督には、勝点40を超える度に「おめでとうございます」と祝福させて頂いた。その習慣は城福浩監督になっても続けている。

では2021年はどうか。

試合数は38試合に増える。試合数×1.0=勝点38が世界的な基準の残留ラインではあるが、おそらくJ1の場合は勝点40でも不安が残るだろう。今と同様に、38+6、つまり勝点44が必要か。

同じ20チーム制のプレミアリーグを見てみよう。自動降格は3チームだが、今回はJ1では降格圏となる17位と残留できる16位の平均勝点を調べてみた。

過去10年の数字を見てみると、16位の平均勝点は39.3で17位は37.6。だが、過去10年の間に試合数×1.0=38のラインに17位のチームが到達したシーズンは5回。勝点40ラインまであがったケースは2例もある。上位と下位が明確なプレミアリーグでの数字を考えてみても、試合数×1.0では不安だ。プレミアリーグの場合、38+3(1勝)=41まで17位が到達したケースはなく、+2勝のケース(勝点44)で16位まで落ちたケースはない。

となるとやはり、J1の場合は勝点44を一つの目安として考えるべきだろう。つまり、14勝2分22敗以上の成績で残留できる。ちなみに今季は13勝9分12敗で勝点48。下位3チームが勝点30に届かないという状況だったこともあって、この勝点でも8位に滑り込んだ。ただ、2019年は6位で勝点55。15勝10分9敗という成績だった。

もちろん、順位は相対的なもので、勝点は絶対的価値をもたない。そのシーズンの状況によって、もっと低い勝点でも残留できるし、もっとハイレベルな争いになる可能性もある。だが、勝点44のラインが目標となることは間違いあるまい。

では、そのラインに達するためにどうすればいいか。もちろん、より多く点をとり、失点を少なくするという単純なことではあるのだが、一つの考え方としては「下位チームから確実に勝点3をとる」ことが外せない。

2020年10月3日の鳥栖戦で、広島は一つの方向性を確立した。それは青山敏弘が「正解を見つけた」と言うほど、明快なもの。その後、広島は神戸・C大阪・名古屋・横浜FMといった実力者たちに勝利する一方で、横浜FC・仙台・湘南といった勝点34のラインに達していないチームとことごとく引き分けた。この3チームからしっかりと勝利をつかんでいれば、勝点は54。柏をかわして7位に浮上したはずだ。さらに結果として広島よりも下位に沈んだ浦和と札幌に対し引き分けではなく勝利していれば勝点58にとなってFC東京を上回った。

いや、もしそうなったら、10月28日の対横浜FM戦からチームは8連勝を記録することになり、それほどの勢いが爆発していれば、最後の試合を全て落とすという事態にはならなかったはず。ACL出場権獲得の可能性すらあった。

例にあげた5チームとの試合は、いずれも勝利できた内容だった。ではなぜ、勝てなかったか。

あえてシンプルに書く。

一つは先に失点してしまったこと。もう一つは、チャンスをモノにできなかったことだ。

いや、先に失点してしまってもチャンスをゴールにできていれば、逆転勝ちできている。やはり、ゴールできなかったことが最大の理由だろう。

流れの中だろうがセットプレーであろうが、とにかく得点をとる。得点を重ねて、相手の心を折る。そういう闘いが2020年、ほとんどできていない。

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