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愛妻と共に新しいシーズンへ/エゼキエウ

エゼキエウが愛に満ちた青年だとは、誰もがもうわかっている。

愛が彼の大きな力になっていることも、わかっている。

昨年の初頭、結婚したばかりで日本に1人、やってきた。

この時彼は、「1人」で来日したことを大きく後悔したはずだ。

もちろん、妻はのジュリアナさんはまだビザ(入国査証)も取得していなかったし、キャンプの間1人で広島にいさせるわけにもいかない。そういう配慮はあった。しかし、そこは理屈抜きである。

いきなり襲った感染症の地獄。当初は東アジアだけだったのが一気に欧州にも広がり、そして南米大陸も包み込んだ。

海外に渡航することも、海外からやってくることも基本的には難しくなった。ビザの取得も厳しくなり、エゼキエウとジュリアナさんの距離は1万7360キロも離れたまま、いつ縮まるかもわからない。

「あの時は本当に辛かった。経験したことのない厳しさだった」

1月30日、宮崎キャンプに合流して2日目のエゼキエウは、未曾有の辛い状況だった昨年を振り返る。

「自分はたった1人で日本にやってきて、友人もいない、外にも出られない、食事もうまくとれない。自粛期間は(トレーニングもそれほどしていないのに)体重も減ってしまった。何よりも妻がいないことが、辛かった」

今年も感染症の脅威が減っているわけではない。しかし、エゼキエウの表情は昨年4月のような陰鬱さは、消えていた。

「やっぱり、昨年の秋に妻が来日してくれたことが大きいよ」

やはり、そうか。

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