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宮崎キャンプ最初の練習試合から感じた課題と修正/2021年宮崎キャンプ

「もしかしたら、すぐにでも3-4-3に戻るかもしれない」

宮崎キャンプ当初、城福浩監督はそんなことを言って笑ったが、実際は一度も4-2-3-1を崩すことはなかった。もしかしたら最後の試合ではちょっと違う形を試したかったのかもしれないが、今は選手たちに必要以上の混乱を与えたくないという意図で、やはり4-2-3-1で闘ったという。

さて、上記は熊本戦の1本目のメンバーである。まだこの時は佐々木翔がケガから復帰するかどうか、という時期。現実として2本目から佐々木は出場することになるのだが、考えてみれば佐々木・荒木・野上が2つのポジションを争うのが4バックの現実。彼らの目の色が変わるのは当然だ。しかも、指揮官が「目をキラキラさせながらハードなプレーをする」と指摘している今津佑太の評価がうなぎ上りという現実もある。

上記が2本目の先発フォーメイションである。ベテランを1本で交代させ、その代わりに入ってきたのが大迫、佐々木、柴﨑、藤井、そして鮎川だ。その鮎川の突破でFKをとり、森島のキックを佐々木がヘッドで叩き込んで1-0。結果としては、この1点で勝負は決まった。

そして2本目17分、メンバーは大きく変わった。

この熊本戦は内容どうこうは特に問題ではない。キャンプインからわずか4日目の対外試合だ。4-2-3-1をスタートさせてからもまた、3日後である。もちろん相手はJ3であり、個人のレベルが明白に違うが、コンディションもまだまだあがっていない状況で違いを出すのも難しい。

確かに1本目は30分でシュート0、ほぼ相手陣内でプレーしたとはいえ、守備が機能するうんぬんなどを言うのも早計だ。広島がそうであるように、熊本もコンディションはまだまだなのだから。

正直、この試合はボクシングでいえば、スパーリングである。それも世界タイトルマッチを控えたチャンピオンが、トレーニングをスタートした頃にやる「形を確かめる」ような練習だ。つまりここでは、形をなぞることが目的であり、そのことによって自身のコンディションをあげつつ課題を確かめることが重要になる。

では、ここでどんな課題が出たのか。

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