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【THIS IS FOOTBALL】称賛するべき五輪代表の守備。ただ、五輪代表にもサンフレッチェ広島にも、ゴールゲッターがいない。

東京五輪、金メダルへのチャレンジは潰えた。

森保一監督のチームは、最強・スペインを相手に素晴らしい守備を見せ付けた。ボールは常に持たれていたが、見た目ほどのピンチはない。4-4-2のブロックをしっかりと組み、守備の基本を徹底的にやりきった。危ないシーンもいくつかあったが、吉田麻也・板倉滉のクレバーかつ献身的な守備と谷晃生の見事なセーブで90分を失点0。普通のリーグ戦であれば、勝点1である。

延長はむしろ、日本にチャンスがあった。中山雄太のクロスから前田大然のヘッド。相馬勇紀のドリブルからチャンスをつかみ、セットプレーからビッグチャンスもあった。だが、延長後半、この日素晴らしいプレーを見せていた中山と相馬のサイドが一瞬、あいた。そのわずかな隙をアセンシオの左足につかれた。

凄いシュート。確かに、彼にあの場所で左足を振らせてはいけない。だが、それを責められるだろうか。「世界との差」などという使い古された言葉で、表現していいのだろうか。

もちろん、悔しい。だが、ヨーロッパ選手権に出たメンバーが多くそろっていたスペインが、必死にボールをつないでもつないでも、日本の守備組織は崩れなかった。決定的なビッグチャンスもつくった。プロフェッショナルたちが参加するようになった五輪のベスト4で、これほど魂のこもった戦いを表現できるように、日本はなった。フィリップ・トルシエが「日本には守備文化がない」と言い放って約20年。日本は世界と伍して闘えるほどの守備を表現してくれた。

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