GKに向けてシュートを撃て/福岡戦に向けて
どうすれば、点がとれるか。
サッカーにおいては究極の問い。この方程式を発見することは、かつて数学界で大きな謎といわれたフェルマーの最終定理(17世紀の数学者で裁判官でもあったピエール・ド・フェルマーが提示した命題。3以上の自然数nにおいて、xn + yn = zn となる0でない自然数の組み合わせ(x,y,z)は存在しない。1995年、約300年の時を超えて、イギリスの数学者であるアンドリュー・ワイルズが証明)よりも遙かに難しい。おそらく、そういう方程式は存在しないのだろう。
特に、相手がスペースを消し、低い位置でコンパクトに守ってきた場合、「点をとる」という命題に対して答えを出すのは難しい。よく言われるのが、高さのある選手がいる場合はサイドからのクロスで三次元の空間を使う。そしてもう一つはミドルシュート。もちろん決めるにこしたことはないが、しっかりと枠に飛ばすことで相手の守備ラインをあげさせる効果もある。そうなれば、裏のスペースを使うことができるようになるからだ。
広島の場合、クロスは入る。だが、そこに飛び込んでくる選手がゴールを決めるケースは少ない。広島はクロスからのゴールはここまでわずか1点のみ。川崎Fは15点、横浜FMは11点、神戸も10点も記録していることから考えても、「クロス」は広島の大きな問題となっている。Football LAbのデータによれば、広島のクロスポイントはリーグ5位。なのに、得点は1点だけなのだ。
もちろん、そのポイントの改善は急務ではあるし、中断期のトレーニングでもそのテーマに準じたメニューを何度も行っている。城福浩監督がクロスに対しての入り方に対して指導を繰り返し、チームの課題として共有されてはいるが、結果として中断期に行われた二つのトレーニングマッチでも、クロスからの得点は生まれていない。ここは一朝一夕には解決できない問題ではある。
もう一つのミドルシュートについても、トレーニングマッチでは得点を奪えていない。ただ、前述したように、ミドルで直接ゴールに突き刺さる必要はそれほどないと考える。もちろん、ここの確率をあげてはほしいが、それこそすぐには無理だ。だがミドルを打つことによってラインをあげたり、セカンドボールをチャンスに繋げることはできる。「ミドルを決める」ならともかく、「ミドルを打つ」は、意識でなんとかなる問題でもある。
サンフレッチェ広島史上、ミドルシュートの最高の名手といえば、森﨑浩司アンバサダーだ。今回、紫熊倶楽部9月号にアンバサダーのインタビューを掲載する予定だが、この時にミドルシュートについて取材をしているので、その言葉の1部をご紹介したい。
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