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大迫敬介/林卓人の背中を追いかけて、そしていつの日か。

「ケイスケくん」

呼びかけに、大迫敬介は少し、戸惑った表情を浮かべた。だが、すぐに笑顔を見せて「はい」といつものように、マイクの前に立った。

どうして、この人は俺を呼び止めたのだろう。

そんな空気が、伝わってきた。

もちろん、彼に話を聞こうと思ったのには、理由がある。

今の彼には、ちょっと残酷ではあったかもしれない。しかし、聞いておくべきだと思った。

それは10月3日、林卓人がJ1通算100試合完封を成し遂げたあの日の試合後のこと。

B6付近に、「広島の守護神、此所にあり」という横断幕が掲げられていた。もちろん、林の偉業を称賛してファミリーたちが掲げていたものだ。

その横断幕の前で林は立ち止まった。そして「ケイスケ」と大迫を呼び、2人で記念撮影を行ったのだ。しかもカメラマンに「守備神という文字が見えるように」と注文をつけていた。

そのシーンには、林卓人の大迫への想いが示されていた。どういう想いか。説明するまでもあるまい。

「あの時、どういう想いで横断幕の前に立ったの?」

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