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藤井智也は必ず、学んでくれる/広島0-2仙台

たった一つのミスが試合を大きく左右することを、藤井智也はイヤというほどに理解しただろう。

10分、仙台は広島の左サイドに集中して人材を投下し、圧力をかけてきた。

試合開始から彼らは広島のハイプレスをかいくぐると、すぐに長いボールを広島左サイドの裏へと狙ってきた。東俊希の裏にボールを出し、佐々木翔を引き出して中を薄くすることが目的だったと感じる。仙台の右サイドは加藤千尋と真瀬拓海。共に仙台の未来を背負ってたつ若きサイドアタッカーだ。彼らのフレッシュな力を利用して、広島を崩す。そういう意図が、手倉森誠監督にはあったはずである。

広島も当然、対応する。この10分の場面では、ハイネルや青山敏弘といった中盤の選手たちが左サイドに位置取り、仙台の勢いを堰き止めようとした。だが、ハイネル・東俊希・森島司と3人で囲んでも真瀬はボールを失わず、加藤にパス。少しボールを横に置いた加藤は、美しいスルーパスで広島陣内を引き裂こうとした。

走りこんだのは富樫敬真。危険なストライカーだ。誰がつく。野上結貴だ。荒木隼人はこの時、前に出て中に入っていた関口訓充を見ようとしていたが、近くに赤﨑秀平がいたことで、彼にボールが落とされた時の対処のために後ろに下がる。

そして、関口はフリーになった。しかも、バイタルエリア。まったくストレスなく右足を彼が振り切れば、素晴らしいシュートがネットに突き刺さるのも自明である。

では、どうすればよかったか。

この時、誰が関口をマークするべきだったか。

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