【サンフレッチェ広島レジーナ 0-1 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース】チーム内競争の時。

2022年03月21日 22時22分　
カテゴリ： SIGMACLUB NEWS

いきなりの大ピンチだった。千葉の右ストッパー・市瀬千里がFW谷口木乃実のプレスをかわしてロングボール。受けたのはFW千葉玲海菜。筑波大4年で特別指定選手としてプレーしており、今季から正式に千葉Lへの加入が決まったストライカーだ。

DF中村楓の圧力をものともせずに反転、そのままPA内に侵入してのシュート。ここは角度がなかったこともあってGK木稲瑠那が防いだが、千葉のこの試合での狙いが明確に見えた。そう。ロングボールでのウラ狙いである。そして後半、彼女たちがあげた得点も、まさにこの狙いどおりだ。

決して確率は高くない。千葉Lの猿沢真治監督は「ラッキーなゴール」と表現した。だが、身体能力の高い千葉というFWを活かすために、全員がその意志を統一させていたことは間違いない。一方で、INAC神戸戦よりも、前から守備にくる頻度は落ちていた。猿沢監督は「選手たちの判断。特に広島の木﨑あおい選手は（プレスを）ずらすのが上手いので」と語っていた。

千葉が前線からのプレッシングにいけなかったのは、広島の前線守備によってラインを押し下げられたことに影響される。ベレーザ戦よりも広島の守備ラインは高く、そしてアグレッシブだった。トップチームのような「ゲーゲンプレス」とまではいかないが、谷口と上野真実がいいポジションをとって相手のビルドアップを監視。長いボールでウラをとられても、ゴール前での集中から相手にシュートを打たせない。

入りのペースは明確に広島だった。特に谷口は、内田好美のクロスからと上野のスルーパスから、２つのチャンスを迎えていた。相手の守備を振り切っていたわけではないが、枠に飛ばせば何かが起きる。ストライカーとして、そこができなかったことは悔いが残る。

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