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【広島2-0横浜FM】後半開始からの12分25秒間、広島が展開した「制圧」

47分44秒、柏好文が後半の初シュートを放つ。その時、スタンドにどよめきが走った。驚きのどよめきだ。

それは柏のシュートが「惜しい」ということではない。相手に当たってのCKとなっただけのこと。

驚きの理由は、後半のキックオフから両チーム初シュートのこのシーンまで、ボールを握っていたのはほぼ横浜FMだったのに、彼らは広島の圧力の前に1度も、広島陣内でボールをキープすることができないという現象に対して、である。広島の今季の基軸となる戦術「ゲーゲンプレス」の前に、まるでボールを前に運べないのだ。有効な縦パスはゼロ。ドリブルでの打開もできない。苦し紛れのロングボールは全て回収される。

ポステコグルー監督2年目の2019年に戴冠して以降、横浜FMは常に川崎Fと共にJの攻撃サッカーの代名詞として君臨してきた。横浜FMと対峙する時は基本、自陣に押し込まれてのサッカーになりがちだった。それはたとえ、ターンオーバーで選手が入れ替わっても、そうだった。

それが今、信じがたい光景が起きている。ボールは確かに横浜FMが握っている。だが、プレーエリアはずっと横浜FM陣内。プレッシングを外しているのではなく、広島の圧力の前に選択肢を奪われ、危険なシーンとなる前に蹴ることしかできなくなっていた。その事実に対して、誰もが驚きを隠せないでいた。

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