フットボールシンガポール

インタビュー|アルビレックス新潟S GK 1 福留健吾 幾多の困難を乗り越えた不屈の守護神

「オーバーエイジ枠」にかかるクラブからの期待

23歳以下の選手を中心に構成されるアルビレックス新潟Sにあって、福留は日本人選手としては唯一の「オーバーエイジ枠」での加入となる。昨年まで同じくオーバーエイジ枠のGKとしてプレーしていた野澤洋輔(今季はアルビレックス新潟へ復帰)は、ピッチ内外で頼れる兄貴分として若いチームを支えていただけに、福留にも野澤の「後継者」として大きな期待がかかっていることは間違いない。

「クラブから求められている役割や、自分がここにいる意味はもちろん理解しています。若くて将来性のある選手ばかりなので、自分がどれだけ彼らに影響を与えられるかを常に意識しています」

2004年のクラブ設立以来、日本人選手だけで構成されてきたアルビレックス新潟Sだが、昨季クラブ史上初めてシンガポール人選手の加入が2人まで認められた。契約人数の上限が撤廃された今季は、6人のシンガポール人選手が所属している。日本人選手とシンガポール人選手の融合は、クラブにとって昨季以上に重要な課題となっており、ドイツ時代に磨いたドイツ語だけでなく、英語も話すことができる福留の存在は、ここでも非常に大きな意味を持っている。

「(アルビレックスは)日本のクラブなので、共通言語は日本語になりますが、シンガポール人選手のこともリスペクトしないといけない。わからない言語が飛び交っている環境が彼らのストレスになってはいけないので、監督の言葉などもできるだけ英語で伝えるようにしています。若い(日本人)選手たちも彼らと積極的にコミュニケーションを取ろうとしているので、チームとしてのまとまりは出来てきていると思います」

最後に今年の目標を聞くと、「チームとしてタイトルを3つすべて取ること」という答えがすぐに返ってきた。

「そのためにも1試合1試合で結果を出せるように、日々のトレーニングを大事にしながら、1年を通して戦っていきたい。僕自身の目標は、ここでどれだけ成長して、GKとしての自分の価値を高められるかということ。世界レベルのGKとの差をどれだけ縮められるか。そういう高い意識をもって自分を向上させていきたい」

 

福留健吾(ふくどめ・けんご)

1987年鳥取県生まれ。境高校→関西大学→SVクリークスドルフ→ 1.FCニーダーカッセル→SFロイスドルフ→ アレマニア・アーヘンⅡ→ アレマニア・アーヘン(以上ドイツ) →水戸→沼津。ドイツのアマチュアクラブでのプレーを経て、2014年に名門アーヘンでプロ契約を勝ち取る。その後、Jクラブでのプレーを経て、今年1月にオーバーエイジ枠でアルビレックス新潟シンガポールに完全移籍で加入。185cm、82kg。

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