フットボールシンガポール

吉田達磨氏、シンガポール代表監督に正式就任 「シンガポールサッカーの潜在能力を信じている」

シンガポール代表監督に就任した吉田達磨氏(写真中央)。左はシンガポールサッカー協会のリム・キアトン会長、右はヤジーン・ブハリ事務局長 (Photo: Football Association of Singapore)

シンガポールサッカー協会(FAS)は30日、Jリーグ柏や新潟、甲府で指揮を執った吉田達磨氏(44)がシンガポール代表監督に就任したことを明らかにした。吉田新監督の契約期間は2年間で、オプションとして2年間の延長が含まれている。日本人監督がフル代表を指導するのはシンガポールサッカー史上初めて。

FASの事務所が置かれているジャランベサル・スタジアムで就任会見に臨んだ吉田新監督は、「シンガポール代表監督に任命されたことを誇りに思う。私を信じてくれたFASに感謝したい。簡単な仕事でないことはわかっているが、シンガポールサッカーは国際舞台でさらなる成功をつかむことができる潜在能力があると信じている」と抱負を話した。

吉田氏は、柏や京都、山形などでプレーしたあと、2002年にシンガポールのジュロンFCで現役を引退。指導者に転身してからは柏の下部組織で若手選手の発掘や育成に手腕を発揮。2015年にはトップチームの監督に就任して、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ベスト8、天皇杯ベスト4などの結果を残したが、リーグ戦で年間10位と振るわなかったこともあり、2年契約の1年目で退任した。その後、新潟、甲府などで指揮を執ったものの、いずれも成績不振を理由に契約途中で解任されている。

FASのリム・キアトン会長は、吉田氏の代表監督就任が日本サッカー協会からの推薦によるものであることを認めたうえで、「吉田氏の履歴書だけを見れば、それほど素晴らしくは感じられないかもしれないが、(日本サッカー協会から)強く推薦されるだけの十分な理由があるのは確か。(監督選考のための)面接を行った時点で我々は吉田達磨に対する確固たる自信を抱いた。我々やファンが求めている高いインテンシティとムービングフットボールをもたらしてくれるだろう」と新監督への期待の高さをうかがわせた。

シンガポール代表は、6月8日にソロモン諸島、同11日にミャンマーとシンガポール国内で国際親善試合を行うことを予定しており、FASは同試合を戦う代表メンバー18人を合わせて発表した。今年末にSEAゲームス(東南アジア競技会)を控えたU-22代表は、同時期にタイ、インドネシア、フィリピンのU-22代表と対戦する「マーライオンカップ」に出場するため、今回のフル代表には22歳以下の選手は含まれていない。代表メンバーは以下のとおり。
 
[GK]
ハッサン・サニー(35、アーミー・ユナイテッド/タイ2部)
イズワン・マーブド(28、ノーンブワ・ピッチャヤ/タイ2部)
 
[DF]
アミルル・アドリ(23、タンピネス)
ファドリ・カミス(26、バレスティア)
ファリツ・ハミード(29、ホームU)
イルワン・シャー(30、タンピネス)
サフワン・バハルーディン(27、パハン/マレーシア)
シャキル・ハムザ(26、クダ/マレーシア)
 
[MF]
アダム・スワンディ(23、ホームU)
ハリス・ハルン(28、ジョホール・ダルルタクジム/マレーシア)
フザイファー・アジズ(24、バレスティア)
M・アヌマンタン(24、ホーガンU)
シャーダン・スライマン(31、タンピネス)
ヤシル・ハナピ(29、タンピネス)
ズルファーミ・アリフィン(27、ホーガンU)
 
[FW]
ファリス・ラムリ(26、ホーガンU)
ガブリエル・クァック(28、ウォリアーズ)
カイルル・アムリ(34、フェルダU/マレーシア)

※( )内は、年齢、所属クラブ

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ