「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【フットボール・ブレス・ユー】第5回 響く天の声 ~ブリオベッカ浦安~(2016/04/27)

第5回 響く天の声 ~ブリオベッカ浦安~

4月16日、柏の葉公園総合競技場を訪ねた。およそ10年ぶり、高校選手権の取材以来である。この日予定されるのは、JFL第7節、ブリオベッカ浦安 vs FCマルヤス岡崎。今季からJFLに昇格した浦安の試合を観てみたかったのだ。

入場ゲートをくぐり、ぶらぶら歩いていたら、「あ~! また黙って来ましたね」の声。ぱっと顔を上げると、清水康也だった。かつて東京ヴェルディに所属し、現在は浦安で10番を背負う。たしかに僕は「行くときは連絡します」と調子のいいことを言っている。だが、いざその日を前にすると、自分ごときが試合に行くの、それがどうしたって気がして連絡しにくいんだよ。

それより、もうすぐ試合が始まるというのに、あなたはこんなところにいていいのか。聞けば、清水は筋肉系のトラブルでリハビリ中だという。そいつは残念。一昨年の大けがから復活した姿を見たかったが、次の機会に持ち越しだ。

浦安には、東京Vに縁のある人が多数いる。昨季、関東リーグの得点王(18ゴール)に輝いた竹中公基、秋葉勇志、田中貴大。キャプテンの笠松亮太、相馬将夏、南部健造、坂谷武春はアカデミーの出身選手だ。齋藤芳行監督、都並敏史テクニカルディレクターなど、指導者やフロント陣も、読売クラブの流れをくむ。

ブリオベッカ浦安のイレブン。

ブリオベッカ浦安のイレブン。

チームの得点源である竹中公基。

チームの得点源である竹中公基。

底知れぬ運動力で右サイドをアップダウンする秋葉勇志。

底知れぬ運動力で右サイドをアップダウンする秋葉勇志。

持ち前のスピードで左サイドを切り裂く田中貴大。

持ち前のスピードで左サイドを切り裂く田中貴大。

テクニカルエリアから指示を送る齋藤芳行監督。

テクニカルエリアから指示を送る齋藤芳行監督。

先制したのは、浦安だった。11分、右サイドを駆け上がった秋葉が中央にパスを送り、竹中の右足がゴールネットを揺らす。もともと竹中は左足のパワフルなシュートをはじめ、粗削りながら魅力を感じさせるプレーヤーだったが、近年の成長ぶりには目を見張るばかりだ。いまやすっかりエースの風格を身にまとっている。

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