「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-27[A] 京都サンガF.C.戦『最後の10メートル、5メートル』(2016/08/08)

2016年8月7日(日)
J2第27節 京都サンガF.C. vs 東京ヴェルディ
19:04キックオフ 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場
[入場者数]6,030人 [天候]晴、弱風、気温32.1℃、湿度49%

京都 2‐0 東京V
前半:1‐0
後半:1‐0
[得点]
1‐0 山瀬功治(23分)
2‐0 堀米勇輝(63分)

●東京Vスターティングメンバー
GK31 鈴木椋大
DF23 田村直也
DF3   井林章
DF5   平智広
DF6   安在和樹
MF13 船山祐二(65分 渡辺)
MF8   中後雅喜
MF14 澤井直人
MF10 高木善朗
MF11 南秀仁(46分* アラン)
FW29 北脇健慈(77分 高木大)
(ベンチメンバー:GK26太田岳志。DF2安西幸輝、4イム・ユファン。MF33渡辺皓太。FW7杉本竜士、9アラン・ピニェイロ、18高木大輔)

監督 冨樫剛一

■ミナミ感の強さ

「もっとファー寄りに、高めか低めかはっきりしたコースに打つべきだった。仮にキーパーにはじかれたとしても、味方が押し込んでいたでしょうから」

南秀仁がゲームを振り返る。11分、この試合最大の決定機が訪れた。右サイドから高木善朗がクロスを入れ、北脇健慈が倒れながらスラし、フリーの南にボールが渡った。トラップは絶妙だった。右足のアウトでボールの勢いを殺し、左足をすぐ振れる位置に転がした。だが、シュートは菅野孝憲のほぼ正面だった。

南にはもう一度チャンスがあり、21分、ほぼ同じ位置から今度は右足でファーサイドに巻いて打つフィニッシュを試みている。技巧の詰まったシュートだ。相手をギリギリまで引き寄せ、ブロックされないようにタイミングをずらし、ひゅっと短い振りでコースを狙った。だが、これもディフェンダーの足に当ててしまい、ゴールの枠を逸れた。

どちらの決め損ないも、ミナミ感が強い。そんな言葉はないのだが、ここの読者にはおおよそ正しく伝わるのではないか。あれほど繊細な技巧を凝らし、冷静沈着にゴールを見据えているのに、散漫に見えてしまうのはなぜだろうと不思議に思う。

(残り 1895文字/全文: 2733文字)

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