「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-34[A] FC町田ゼルビア戦『繰り言は聞き飽きた』(2016/10/03)

2016年10月2日(日)
J2第34節 FC町田ゼルビア vs 東京ヴェルディ
16:03キックオフ 町田市立陸上競技場
[入場者数]5,016人 [天候]晴、弱風、気温24.4℃、湿度73%

町田 2‐1 東京V
前半:2‐0
後半:0‐1
[得点]
1‐0 中村祐也(8分)
2‐0 中村祐也(41分)
2‐1 平智広(68分)

●東京Vスターティングメンバー
GK1   柴崎貴広
DF19 大木暁
DF3   井林章
DF5   平智広
DF6   安在和樹
MF13 船山祐二(46分* 渡辺)
MF8   中後雅喜
MF9   アラン・ピニェイロ(66分 澤井)
MF32 二川孝広(84分 杉本)
MF10 高木善朗
FW17 ドウグラス・ヴィエイラ
(ベンチメンバー:GK26太田岳志。DF2安西幸輝。MF14澤井直人、23田村直也、33渡辺皓太。FW7杉本竜士、18高木大輔)

監督 冨樫剛一

■危険な状況ではなかった

いったい、これでいくつの勝点を失ったのか。10や20ではとても利かない。ゲームの形勢を逆流させるきっかけは、またしてもカウンターからの被弾だった。

7分、東京ヴェルディの右コーナーキックがファーサイドに流れる。谷澤達也は大きくクリアしかけたが、前を走る松本怜大にボールをつないだ。松本は谷澤にボールを戻し、中に入っていった。

再び谷澤がボールを持つ。ゴールまでおよそ70メートル。ここの状況判断、プレーのチョイスが重要なポイントになった。快速フォワードの仲川輝人が前を指さし、裏へのボールを要求する。谷澤は蹴らない。中村祐也の要求もまた一気に裏を突くロングパスだ。だが、谷澤は蹴ろうとしなかった。

仲川は動き直し、右サイドのスペースでパスを受けるために走る。中村は左右を見て、オフサイドにならない位置まで戻った。そこで、谷澤は仲川に縦パス。ボールがハーフウェイラインを越えた瞬間、FC町田ゼルビアは6人が攻め込んでいたが、東京ヴェルディは9人が帰陣している。守備の人数はそろっていた。

仲川がボールをコントロールしたとき、最も近くにいたのは平智広だった。だが、迂闊には寄せられない。もうひとり森村昂太がフリーでおり、一時的に平がふたりを同時に見ることになった。平は、背後にいた安在和樹をボールに向かわせ、自分は森村をケアするとともにクロスに備えて中央のディフェンスを固めようとした。

マークの整理に要したのは、ほんの1、2秒。しかし、結果的にわずかな間が生じ、仲川に時間とスペースを与えたことが、東京Vの失点につながる。

8分、仲川のクロスは大木暁と井林章の間に落ちてくる。そこに中村が入り込み、ヘディングシュートが決まった。正確な技術と状況判断、勤勉な動き直しが生んだ町田の先制点だった。

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