「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-35[H] ギラヴァンツ北九州戦『非凡なるリンクマン』(2016/10/09)

2016年10月8日(土)
J2第35節 東京ヴェルディ vs ギラヴァンツ北九州
16:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]4,057人 [天候]曇、弱風、気温21.5℃、湿度82%

東京V 1‐1 北九州
前半:1‐1
後半:0‐0
[得点]
0‐1 小松塁(1分)
1‐1 二川孝広(28分)

●東京Vスターティングメンバー
GK1   柴崎貴広
DF2   安西幸輝(82分 アラン)
DF3   井林章
DF5   平智広
DF6   安在和樹
MF33 渡辺皓太
MF8   中後雅喜
MF14 澤井直人
MF32 二川孝広(90+2分 高木大)
MF10 高木善朗(75分 高木純)
FW17 ドウグラス・ヴィエイラ
(ベンチメンバー:GK26太田岳志。DF30高木純平。MF11南秀仁、13船山祐二、23田村直也。FW9アラン・ピニェイロ、18高木大輔)

監督 冨樫剛一

■開始57秒の失点

「準備期間が1日少ないなか、相手のウィークポイントを分析して突き、ゲームを通してよい場所でボールを受け、攻撃の起点をつくれたと思います。ただ、あまりにも最初の失点の仕方が情けなかったのと、時間帯を含めて自分たちがそこから2点を取らないと逆転できない状況になってしまったのが非常に悔しい」

と、冨樫剛一監督は試合後の監督会見を切り出した。結果は1‐1のドロー。残留争いの直接対決で、相手に3ポイントを与えなかった点では、最低限の結果は出したと言える。

「今回、自分たちがテーマに掲げたのは、90分間、しっかりとゲームをつくり、落ち着いてボールを動かして相手を揺さぶりながら攻撃すること。前半、先に失点しながらも同点に追いつき、そこからリスクを管理しつつ一気呵成に攻撃に出られ、チャンスをつくれたと思います。後半、いいところでボールを受けても、中と外との関係性のなかで、ボールの質の低さだったり、タイミングが合い切らなかったのは残念だった点。シュートは打っているけれど、枠には飛んでいない。そのあたりは歯がゆいゲームになってしまいました」

東京ヴェルディの失点は開始1分、正確には57秒に訪れた。

井林章が大きくクリアしたボールを、風間宏希がポーンと蹴り返す。裏に抜け出す小松塁に、戻りながら並走する平智広。ボールの落下地点へと一目散に向かう小松に対し、ちょうど頭上を通ったせいだろう、顔を上げる時間が長かった平はほんの少し遅れた。結果、平は身体を入れることができずに競り負け、右足のシュートがサイドネットに突き刺さった。

出合い頭の失点に、冨樫監督は額を手で押さえ、深くうつむいた。日頃から「常に最悪のケースを想定している」と語るが、こうもきれいにそうなるとはさすがに考えていなかったのだろう。試練にもほどがあるぞ、との嘆き節が聞こえてきそうだった。

(残り 2054文字/全文: 3177文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ