「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【SBGニュース】東京ヴェルディユース、米子北に敗れる。プレミア昇格を果たせず(2016/12/16)

先手を奪った東京ヴェルディユースだったが……。 写真=松尾祐希

先手を奪った東京ヴェルディユースだったが……。 写真=松尾祐希

■後半、立て続けに失点

迎えた後半。リードをしていることで生まれる隙をハーフタイムに声を掛け合って引き締め直していたが、不安定な守りは改善されず。「後半の立ち上がりから浮き足立っていて良くなかった」という藤本の言葉どおり、47分にコーナーキックから失点を喫して相手に勢いを与えてしまった。これで完全に冷静さを欠いたチームは、53分に右サイドを打開されて試合をひっくり返される。追いかける展開になった東京Vは選手交代なども用いながら、状況を変えにかかるが1点が遠い。終盤に藤本がゴール前で幾度となく好機を迎えたが、いずれも決め切ることができなかった。

逆に82分、攻撃に意識を傾けていた裏を突かれ、相手のカウンターから止めを刺されて勝負あり。「相手のひたむきさや頑張り。その上を行く技術があればまだ違ったのかなと思う」と振り返った藤吉信次監督の言葉どおり、Jユース勢やプリンスリーグ関東などではなかなかお目にかかれない“THE高体連”というチームへの対応ができず、2年連続敗退という結果に終わった。

試合後、深澤は「前半に幹太が良い時間帯に点を取ってくれたので、僕らが耐えていれば勝てた試合」と反省の弁を口にした。特に今年の3年生は、2年前にプレミアリーグを経験した最後の世代。自分たちが降格させてしまったという想いは強く、いるべき場所に戻すという決意を強く抱いていた。試合後に溢れ出したモノはそういう感情が大半。帰路につくバスに乗り込む際に、サポーターへ最後の挨拶をすると、再び選手たちは涙腺が緩み、下級生も2度目の涙を流して悔しさを噛み締めた。

だからこそ、来年につなげないといけない。「(参入戦1回戦で敗れた)去年を今年は経験している選手がたくさんいたけど、これを来年に向けてどうしていくか。経験を積んでも積むだけでは意味がないし、何か覚えて帰り、来年またここに来て、こういった戦いに順応できる選手を増やしていかないといけない。そういう選手が増えていけば、チームは自然と良くなっていく」と藤本。この試合で学んだことを生かし、新チームに還元していくことが先輩たちへの恩返しだ。来年こそは3度目の正直を目指し、いるべき舞台に戻る権利をつかみ取ることに期待したい。

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