「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-1[A] 徳島ヴォルティス戦『果断』(17.2.27)

『阿波の街』2017.2.26

『阿波の街』2017.2.26

2017年2月26日(日)
J2第1節 徳島ヴォルティス vs 東京ヴェルディ
14:03キックオフ 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム
[入場者数]6,149人 [天候]晴、中風、気温12.0℃、湿度37%

徳島 1‐0 東京V
前半:1‐0
後半:0‐0
[得点]
1‐0 杉本太郎(26分)

●東京Vスターティングメンバー
GK1   柴崎貴広
DF3   井林章
DF19 永田充
DF5   平智広
MF18 高木大輔
MF17 内田達也
MF8   中後雅喜(40分 井上)
MF11 中野雅臣(77分 安在)
FW38 梶川諒太
FW10 高木善朗
FW7   アラン・ピニェイロ(64分 ドウグラス)
(ベンチメンバー:GK34内藤圭佑。DF4畠中槙之輔、6安在和樹。MF20井上潮音、27橋本英郎、32二川孝広。FWドウグラス・ヴィエイラ)

監督 ロティーナ

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■東京Vの明らかなほころび

開始20分を過ぎて、0‐0。上等じゃないかと僕は思った。

待ちに待った、2017シーズンの開幕戦。東京ヴェルディは、徳島ヴォルティスのホーム、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムに乗り込んだ。

暖かい日差しが降り注ぐ好天に恵まれたが、風が強く吹いていた。コイントスで選択権を得た井林章は、エンドを入れ替えて風上に立つことを選んでいる。

前半、ペースを握ったのは徳島。激しいプレッシングで東京Vの出足を止め、攻撃の時間をつくっていく。東京Vは相手の3トップ、渡大生、前川大河、杉本太郎をなかなか捕まえきれない。

7分、右サイドを崩された決定的なピンチは、柴崎貴広のシュートブロックによって難を逃れた。足かけ17年、この試合で通算100試合出場を達成した柴崎は、随所でファインプレーを見せた。通常、後ろでどっしり構えるスタイルだが、ハイクロスに対して敢然と飛び出し、パンチングではじき飛ばした。

選手たちが口々に自信を深める安定した守備組織を手にしたはずの東京Vが、なぜこうも右往左往させられたのか。徳島の出来が良かった。正しい。狙いのはっきりしたディフェンスで、くさびのパスをことごとく潰してみせた。だが、それだけではない。

東京Vのほころびは、両ウイングバックに端を発する。開幕まで7試合のトレーニングマッチを組み、そのすべてが右サイドには右利きを、左サイドには左利きの選手を置いた。ロティーナ監督は開幕週のトレーニングで、ここにテコ入れをする。流れのなかから得点できないことに限界を感じたか、あるいは徳島の戦術を分析した結果、浮上したプランなのだろう。

徳島戦は、右に中野雅臣、左に高木大輔を配置。中野の右サイドはズタボロにされた。徳島の中盤でかじ取り役を担うカルリーニョスは、執拗にそこを狙い続けた。中野は左足でボールをコントルールする都合、前向きの状態では身体を入れてキープできない。周りが見えていない。よって、呼吸も合わない。ひどい悪循環に陥った。中野自身、狙われているのはわかっていたはずだ。初の開幕スタメンという硬さも見られ、焦りが手に取るように伝わってきた。

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