「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第19回 根気と本気 ~東京ヴェルディユース 2017 陽春~(17.4.12)

第19回 根気と本気 ~東京ヴェルディユース 2017 陽春~

4月8日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プリンスリーグ関東が開幕。第1節、東京ヴェルディユースと前橋育英高校のゲームに足を運んだ。

結果はスコアレスドロー。東京Vユースには前後半1回ずつ、決定的なチャンスがあった。31分、カットインした大森渚生の左足のシュートから立て続けにチャンスをつくったが、ゴールは割れず。68分、途中から出場した村井清太が裏に抜け出し、ゴールキーパーと1対1となる。しかし、シュートを決められなかった。

全体的には前橋育英のペースで進んだゲームだ。東京Vの放ったシュート7本に対し、前橋育英は倍の14本。前評判の高い相手を迎えたリーグ初戦としては、無失点に抑えてまずまずのすべり出しといったところだろう。

新任の永井秀樹監督の仕事は始まったばかりだ。着任からおよそ2ヵ月、アカデミーの指導者の務めをどう感じているのか。

「まあ、根気がいりますね。なんでこんなことができないんだという気持ちになってはダメ。できるようにさせ、いい選手を上に引き上げる。とはいえ、現役時代にトップで澤井(直人)や(井上)潮音と接していたような、じっくり取り組める時間が与えられているわけではないから、その点は難しさがあります」

個々の選手を向上させていくことが育成の本分。プレミアリーグ昇格は必ずしも重要なテーマではなく、プリンス関東は充分にレベルが高い。ただし、都道府県リーグへの降格となると話は違ってくる。そこだけは結果が求められる。

「甘くはないですよ。永井が見るなら大丈夫だろうと言ってくれる人もいますが、ユースの現場はそんなに生やさしいものではない。個人の意識レベル、技量、目指している場所にバラつきがあるのでね。個人とチームの成績のバランスをどう取っていくのか。おもしろい選手は何人かいるので、鍛えながらやっていきます」

前橋育英戦のスターティングメンバー。

前橋育英戦のスターティングメンバー。

新任の永井秀樹監督。

新任の永井秀樹監督。

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