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「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【マッチレポート】J2-13[A] カマタマーレ讃岐戦『サッカーの一番おいしいところ』(17.5.14)

『だんだん黒目大きくしてんのよ』2017.5.13

『だんだん黒目大きくしてんのよ』2017.5.13

2017年5月13日(土)
J2第13節 カマタマーレ讃岐 vs 東京ヴェルディ
14:03キックオフ Pikaraスタジアム
[入場者数]2,309人 [天候]曇のち晴、無風、気温24.2℃、湿度56%

讃岐 0‐0 東京V
前半:0‐0
後半:0‐0
[得点]

●東京Vスターティングメンバー
GK1   柴崎貴広
DF3   井林章
DF4   畠中槙之輔
DF5   平智広
MF6   安在和樹
MF17 内田達也
MF27 橋本英郎(83分 渡辺)
MF2   安西幸輝
FW7   アラン・ピニェイロ
FW10 高木善朗(76分 ドウグラス)
FW18 高木大輔(57分 梶川)
(ベンチメンバー:GK34内藤圭佑。DF19永田充、23田村直也。MF30高木純平、33渡辺皓太。FW9ドウグラス・ヴィエイラ、38梶川諒太)

監督 ロティーナ

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■今季初のスコアレスドロー

気づいたら、橋本英郎の動きをずっと目で追っていた。読みを利かせたポジショニング。周囲への声がけ。ボールが遠くにあるときの目線の動き。スタジアム観戦のぜいたくな部分だ。ボールを視界の端に入れつつ、プレーの準備段階を観察できる。そこには選手の思考や積み重ねたキャリアまでもが浮かび上がる。

ゲームはスコアレスドローに終わった。東京ヴェルディはカマタマーレ讃岐の守備ブロックを崩せず、終盤は相手の得意な形に持ち込まれ、カウンターから決定的なチャンスをつくられた。攻め気を出しながらも、最後はしのぐような格好で勝点1を得ている。

83分に交代するまで、橋本のプレーは冴えていた。前半、チームが窮屈そうにパスを回すなか、橋本のボールを引き出す動きが全体の流動性を生んだ。球際、強くいくところとディレイの判断。巧妙に罠を張り、さっと相手の前に入る鮮やかなインターセプト。そして素早く前につけるパス。機を見て、ゴール前にも進出した。

ロティーナ監督は、橋本についてこう語る。

「ハシはサッカーをわかっている選手。それによってチームは良いプレーができ、ディフェンス面でも貢献してくれました。相手にチャンスを与えてしまうこともありましたが、アウェーでそうさせずに試合を終えるのは難しいことです」

いわゆる、サッカーを知っている選手。だが、そうひと言でまとめてしまうのはためらわれる。便利な言葉というやつは、個別性をいとも簡単に消し去る。

橋本はチームの歯車、パーツとして使われるのではなく、自らの思考によって当てはまる仕事を探る。必要に応じて形を変え、チームを回していく。つまり、関係づくりの人だ。ボールのある位置、自分の立つ場所、近くにいる選手、与えられた条件を飲み下したうえで周囲との関係を取り持つ。考えが一致しない場合は多々あろうが、その都度修正し、整合させていく。

讃岐戦を振り返って、橋本は言った。

「攻撃面において、クロスを使うことに傾きすぎた感はありますね。相手が待ち構えている状態で、クロスを入れてしまっていた。そこでドリブルをひとつ入れるなり、工夫が必要だったと思います。あそこで、もうひと辛抱できれば。堪えられずに蹴ってしまう、相手のタイミングで蹴らされてしまっていたので。たとえば、低いクロスをニアで合わせる。そういったスピード感の変化みたいなものも欠いていた」

僕が堪能させてもらった自身の仕事ぶりについてはどうか。

「もうちょっと崩しのところでも貢献できないと。今日の相手は引き気味ではありましたが、センターバックとボランチの間にはスペースがあった。そこね、サッカーの一番おいしいところなんですよ。それを味わえていない。楽しめていない。試合を通じて、ボディブローみたいなものが足りなかったかな。もっと攻撃に厚みを出せるプレーをしたかった」

橋本の表情、口調からは充足感が少しもうかがえない。高いレベルを知るがゆえか、そもそも置かれている基準のギャップ、見つめる視線の先にあるものの違いを感じる。

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