【マッチレポート】J2-14[H] ジェフユナイテッド千葉戦『規律の揺るぎなさ』(17.5.18)
2017年5月17日(水)
J2第14節 東京ヴェルディ vs ジェフユナイテッド千葉
19:33キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]4,436人 [天候]曇、弱風、気温20.1℃、湿度48%
東京V 3‐0 千葉
前半:0‐0
後半:3‐0
[得点]
1‐0 アラン・ピニェイロ(55分)
2‐0 高木善朗(69分)
3‐0 高木善朗(77分)
●東京Vスターティングメンバー
GK1 柴崎貴広
DF3 井林章
DF4 畠中槙之輔
DF5 平智広
MF6 安在和樹
MF33 渡辺皓太(76分 橋本)
MF17 内田達也
MF2 安西幸輝
FW7 アラン・ピニェイロ
FW10 高木善朗(80分 梶川)
FW11 中野雅臣(53分 ドウグラス)
(ベンチメンバー:GK34内藤圭佑。DF19永田充。MF27橋本英郎、30高木純平。FW9ドウグラス・ヴィエイラ、18高木大輔、38梶川諒太)
監督 ロティーナ
■にっちもさっちも
前半はジェフユナイテッド千葉のワンサイドゲーム。東京ヴェルディの陣地でパスを好き放題に回し、どう料理してやろうかと舌なめずりしているような風情だった。
3分、裏に抜け出した町田也真人のシュートは、柴崎貴広がブロック。41分、同じく裏を取った船山貴之のシュートは枠を外れた。
一方の東京Vは、やっとこさボールを奪っても、千葉のプレッシャーゾーンからなかなか抜け出せない。前で起点をつくれず、裏を取ることもままならず、だったらつないでみるかとやってもすぐに食いつかれ、にっちもさっちもいかない。たちまち相手のコンパクトなディフェンスに絡め取られ、また長い守備の時間がやってきた。
東京V、唯一の決定機は39分の場面。畠中槙之輔のロングフィードが右サイドの安在和樹に届き、安在が左足のワンタッチでアラン・ピニェイロにやわらかいパスを出す。アランはボールをコントロールしてシュート体勢をつくれそうに見えたが、ダイレクトでゴールを狙い、キーパーにキャッチされた。
ミゲル・アンヘル・ロティーナとフアン・エスナイデル。ともにスペインの風を運んできた指揮官対決としても注目を集めた一戦だ。両者の明暗は後半になって、はっきりと分かれることになる。
先に動いたのはロティーナ監督だった。53分、中野雅臣を下げ、ドウグラス・ヴィエイラを投入。直後の55分、東京Vが息を吹き返す先制点が生まれる。
熊谷アンドリューがサイドを変えようとしたパスを、アランがカット。ドウグラスへとつなぎ、ボックスに侵入したアランがリターンパスを受ける。ここで、右側から寄せてくる相手をブロックし、左足でシュートを打てる位置にボールを置いたアランのファーストタッチが絶妙だった。難なくゴール左隅にシュートを流し込み、東京Vがリードを奪った。
以降、厚みのある攻撃を仕掛けていた千葉に、ほころびが目立つようになる。カウンターに対する戻りの遅さ。徐々に間延びしていく陣形。いままで走っていたところで、ひとり、ふたりと歩く選手が見られた。
東京Vはその隙を突き、スペースに入り込んで、前を向けるシーンが増えていく。より攻撃にプレーの比重を傾ける一方、リスクマネジメントにも緩みはなかった。終始、ポジションの修正を怠らず、千葉の浮いている選手を野放しにすることがない。疲れているはずのアランが、相手から振り切られることなく何度も自陣ゴール前まで戻った。
聞くところによると、エスナイデル監督も規律には大変厳しい方だそうだが(朝と昼の食事はチーム全員で摂るなど、生活面にも及ぶ)、ピッチに表れることがすべて。そこに集約されなければ意味がないと僕は思う。この試合、規律の持続力、揺るぎなさでは、明らかに東京Vのほうが上だった。
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