「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【新東京書簡】第二十信『置き文』海江田(17.6.14)

新東京書簡

第二十信 置き文

■コントロールできる範囲はきれいに

大変だったね、後藤さん。痛みで悶絶しているときに医者から言われる、「いくらでも悪いことは考えられる」。聞きたくないよ、これは。問答無用、容赦のないリアリズムに戦慄を覚える。おれがそばにいたら、「後半始まってすぐ、伊東純也に追加点決められたよ!」って別の角度からダメージを与え、気を紛らわせてやれたのに。

後藤さんの事件が頭にあったせいだろう。先日、『タグマ!』運営事務局の村田要さんと打ち合わせの際、自分が死んだあとのことを話題にした。近年、主にSNS関係で、ネット上に残る足跡が社会問題になっている。コントロールできる範囲はきれいにしたい。おれが村田さんに伝えた希望は次のふたつ。

(1)死後、翌月までの購読料は見送り代としていただく。全額、妻にやってほしい
月末に死んだケースを考えた。あらためて記事を読み直してくれる人や、どんなヤツだったんだとのぞきにくる人がいることを想定。

(2)訪ねてきたライターにSBGを丸ごと譲渡
おかげさまで、WEBマガジン開設以来、読者数はずっと右肩上がりで、『タグマ!』のプラットフォーム使用料や経費等を差っ引いても、若いライターが生活していけるだけの読者がついている。故人はどうしても美化されるから文句を言われるだろうが、それでも応援はしてくれると思う。気にせず、好きなようにやればいい。条件は、読者であることのみ。なお、カメラ機材一式も贈呈。無駄に場所を取る防湿庫も付けちゃう。いずれ、おれは誰かと一緒に仕事をし、『ライター海江田哲朗のWEBマガジン』というサブタイトルを取りたい希望を持っているが、受け渡しの作業ができなかった場合に備えて。

そのほかの関連事項は、以下の原稿で触れたことがある。ご参考まで。

【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第15回 大河の一滴(2016/12/22)
季刊レポ/ヒビレポ『買ったなら読め!』第5回
季刊レポ/ヒビレポ『買ったなら読め!』第6回

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