「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【新東京書簡】第二十四信『旅立つ人よ』海江田(17.8.23)

新東京書簡

第二十四信 旅立つ人よ

■準ヴェルディの認可には3名以上必要

後藤さん、残念なお知らせがあります。

8月に入り、河野広貴がサガン鳥栖に移籍し、この度、中島翔哉もポルトガル1部のポルティモネンセSCへの期限付き移籍が決定した。これにより、そちらに在籍する東京ヴェルディの育成組織出身選手は田中和樹(ヴェルディSS小山)のみ。FC東京は、3名以上とされる準ヴェルディの要件を満たせなくなり、認可が取り消されることになった。おれも関係各所に掛け合ってはみたのだが、力及ばず申し訳ない。9月からは、ただのFC東京になります。

今後、要件さえ満たせばまたすぐ準ヴェルディに復帰できるよう、おれは粉骨砕身して事に当たる。約束する。後藤さん、そして青赤者の皆さんも、どうか気を落とさないでほしい。

そうか、翔哉はついに欧州へと羽ばたくんだね。十代の頃から、いつだって前しか見ていない人だった。ずっと遠くを見ていた。2014年、ヴェルディを離れてから、試合会場で姿を見かけたことは一度もない。大抵、移籍していった選手はたまに顔を出すものだが、翔哉に限ってはそういった態度をまるで見せなかった。一切後ろを振り返らない様には、清々しさを覚えた。嫌味ではない。ポーズだけの義理堅さを示されるより、はるかにいい。

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