【マッチレポート】J2-32[H] 松本山雅FC戦『手放したフォーム』(17.9.11)
2017年9月10日(日)
J2第32節 東京ヴェルディ vs 松本山雅FC
18:36キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]9,214人 [天候]晴、無風、気温25.8℃、湿度72%
東京V 1‐2 松本
前半:0‐0
後半:1‐2
[得点]
0‐1 パウリーニョ(54分)
0‐2 工藤浩平(59分)
1‐2 ドウグラス・ヴィエイラ(84分)
●東京Vスターティングメンバー
GK1 柴崎貴広
DF23 田村直也(63分 畠中)
DF3 井林章
DF5 平智広
MF2 安西幸輝
MF33 渡辺皓太
MF17 内田達也
MF6 安在和樹
FW7 アラン・ピニェイロ
FW38 梶川諒太(65分 高木善)
FW13 カルロス・マルティネス(53分 ドウグラス)
(ベンチメンバー:GK34内藤圭佑。DF4畠中槙之輔、24林昇吾。MF27橋本英郎。FW9ドウグラス・ヴィエイラ、10高木善朗、18高木大輔)
監督 ロティーナ
■ヴェルディ圧はどこへ
本稿は、結論部分から先に述べる。
8月、東京ヴェルディの快進撃の原動力は、インサイドハーフの梶川諒太と渡辺皓太を核とする、ヴェルディ圧(イントネーションは高気圧、低気圧のようにすらっと読んでほしい)にあった。彼らが守備のスイッチを入れ、3トップのドウグラス・ヴィエイラ、安西幸輝、アラン・ピニェイロが連携することで機能性を高める。攻守が一体となった、さながら竜巻のように襲いかかるさまはじつに痛快だった。
遡ること2年前の2015シーズン、夏場の5連勝で一時は3位まで順位を上げたヴェルディ圧もかなりの瞬間風速、威力があった。前線は高木大輔と杉本竜士(名古屋グランパス)の熱血コンビ。だがこれは相手から対策され、ほどなくして雲散霧消している。
ふたつのヴェルディ圧は似ているようで中身は違う。現在のそれは、ずっと緻密だ。ボールのある位置によって調整するポジショニング、身体の向き、コースの切り方、仕掛けるタイミング、丹念に積み重ねてきたものを感じさせた。それらは今季の始動時からロティーナ監督が指導の重点に置いてきたことであり、自身のサッカーそのものと言っても過言ではない。
ほころびが生じたきっかけは、ドウグラス・ヴィエイラのけが。ドウグラスはJ2第30節の愛媛FC戦で右ひざを打撲し、続くジェフユナイテッド戦はどうにか先発出場したが、その代償は小さくなかった。松本山雅FC戦でのスタメン起用が難しいと判断したロティーナ監督は、一計を案じる。
先を見通し戦力として組み込みたい考えがあったのだろう、カルロス・マルティネスの起用を前提とし、戦術面に変更を試みた。それにより自分たちのフォームを崩した。崩されたのではなく、自ら崩した。その事実は重い。ゲームに与えた影響は大きく、敗因と結びつけることも可能だが、実際はそれと別の話である。
途中まで、ロティーナ監督は賭けに勝ちかけた。結果を出していれば、この奇策は褒め称えられていたに違いない。
対する、松本はどうだったか。反町康治監督、岩間雄大の言葉から試合をひも解きたい。
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