「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-40[H] レノファ山口FC戦『知性の敗北』(17.11.6)

『ここにも戦列復帰がひとり』2017.11.5

『ここにも戦列復帰がひとり』2017.11.5

2017年11月5日(日)
J2第40節 東京ヴェルディ vs レノファ山口FC
15:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]6529人 [天候]晴、弱風、気温17.5℃、湿度38%

東京V 1‐2 山口
前半:1‐0
後半:0‐2
[得点]
1‐0 高木善朗(13分)
1‐1 オウンゴール(72分)
1‐2 小野瀬康介(74分)

●東京Vスターティングメンバー
GK1   柴崎貴広
DF23 田村直也(74分 カルロス)
DF3   井林章
DF4   畠中槙之輔
DF2   安西幸輝
MF17 内田達也
MF33 渡辺皓太
MF38 梶川諒太(69分 井上)
FW7   アラン・ピニェイロ
FW10 高木善朗(60分 林)
FW9   ドウグラス・ヴィエイラ
(ベンチメンバー:GK34内藤圭佑。DF5平智広、24林昇吾。MF8中後雅喜、14澤井直人、20井上潮音。FW13カルロス・マルティネス)

監督 ロティーナ

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■プレーオフ圏外の7位に

早々とリードを奪った東京ヴェルディが追い打ちをかけられず、後半、レノファ山口FCの反撃を受けて逆転負け。ゲームの流れ、事の顛末を簡潔に語るとそうなる。昇格を争う6位のチームが、降格危機の21位のチームに負けた。それ自体は珍しいことではないが、易々と受け入れられるものでもない。この結果、東京Vはプレーオフ圏外の7位にはじき出された。

ロティーナ監督は痛恨の敗戦をこう振り返った。

「われわれにとって、とても悪い試合でした。前半は試合を支配できていたかもしれません。しかし、幸運に恵まれたゴールが生まれたほか、チャンスをつくれませんでした。後半は山口がゲームを支配し、より攻撃的にプレーしてきました。私たちはチャンスをつくれず、彼らもまたそれほどチャンスをつくれていませんでしたが、フリーキックと私たちにとっては不運な形でゴールが決まりました」

僕は、手痛い敗北に際し、集団の知性のあり様について考える。刻々と変化する情勢を個人が感じ取り、アイデア、ひらめきを出しながら、周囲とつながり、絡み、ほどけることを間断なく繰り返す。監督の描くイメージに沿い、チームが一体の生きもののように感じられるからサッカーはおもしろい。集団の知性とは、この運動を指す。知性の不調はチームの機能障害を引き起こし、目的から遠ざかるのは自明の理と思えた。

戦端を開いたのは、高木善朗の火を噴きそうな闘志、ゴールに向かう強い意志だった。13分、フリーキックの場面。キッカーの高木善は安西幸輝にパスを出し、戻ってきたボールをワントラップ、すぐさま右足を振る。シュートはレオナルド・ラモスの足に当たってコースが変わり、ネットを揺らした。高木善の強引な姿勢がゴールを呼び込んだという見方を僕はした。

めっちゃラクをさせてくれるなあ――。前半、内田達也はそう感じながらプレーしていたという。

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