「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【新東京書簡】第三十三信『FC東京の変化、ワッショイの変化』後藤(18.2.16)

新東京書簡

第三十三信 FC東京の変化、ワッショイの変化

■石川CCが語る変化

2次キャンプの取材で沖縄県糸満市にある西崎運動公園陸上競技場を訪れた際、石川直宏クラブコミュニケーター(以下「CC」)にばったり出くわし、立ち話になった。

「CC」と言うといまや「頭CC」とかいうバズワードもあってコインチェックのほうが有名になってしまったわけですが(余談だがふとこの手の話を持ち出すと「コインチェック使ってました」「ネム持ってました」みたいに容易に誰かにぶち当たるので、あまり話さないようにしている)、CCという略称の浸透度はさておき、石川CCはクラブの内側と外側とを行ったり来たりで大忙し。引退後の初年度で自分のやるべき仕事を探り当てるため、という理由もあるみたいだけど、そうとうダイナミックに動いている。

その石川CCが言うには、ことしのFC東京はまずピッチ内から大きく変わってきている、と。たぶん長谷川健太監督が歴代監督以上に規律を徹底させ厳しさを求め、やるべきところと休めるところのメリハリをつけ、チームを掌握、集団としてまとめ、適切に運用してきているからなのだろうと、個人的には思っている。ちょっと抽象的だけど。でも選手も似たようなことをよく口にしているから、たぶん合っているんじゃないかな。

ガンバ大阪時代に三冠を達成、清水エスパルス時代にも4位が2回、カップ戦で3回準優勝という結果を残している長谷川監督がやってきて降格圏のちょっと上で終わったら、さすがに選手かフロントがだらしないということになるだろうから、それなりの成績を残さないと恰好がつかないよ。必死になってやってもらわないと。

で、どうもクラブ内も変わってきているみたいなんだ。まず現役を退いたばかりの石川CCと羽生直剛スカウトが揃って社内会議にいち社員として出席していることを想像するだけでもわかるよね。端的に、そんな会社ふつうないでしょ(笑)。ありえない光景がある、そこから自然と波紋が拡がっていく様子が、石川CCの言葉を聞いていると目に浮かぶようだった。

1月の記事にも書いたけれど、ミクシィがスポンサーというていで参画して、でもたんに金銭授受だけでなくいろいろとかかわってくれそうだったり、いままでの弱点の反対に行く、ちがうことをするという方向性の変化があること自体は歓迎するべきなんじゃないかなと思っている。それがうまくいくかどうかは別にして、いままでと同じことをしても仕方がないわけだから。

なかには、短期的には記者にとってデメリットとなるような変化もあるかもしれない。まだ公式戦が始まっていないのでわからないけれど、非公開練習の範囲が増えるとか、その他レギュレーションが変わっていく可能性はある。でも、それもクラブあるいはクラブ側の人材とメディアとで互いにくっついたり離れたり、適切な距離を模索してプロの関係を構築する過程のことであれば、歓迎するべきことなのかもしれないんだ。

取材の機会が減ったり、あるいは距離的に遠ざかることがあったとしても、そのかわりにミックスゾーンを通ったときにはしっかりと、ダベリではなく取材として、いままで以上に意味のあることをいままで以上に多く話してくれるというのなら、マイナスにはならないわけだからね。

 

長谷川健太監督の指導力は戦術以前にチームを掌握し、運用する領域で発揮される。

長谷川健太監督の指導力は戦術以前にチームを掌握し、運用する領域で発揮される。

キャプテンマークが似合う副キャプテン太田宏介。既存戦力の復調が頼もしい今季だ。

キャプテンマークが似合う副キャプテン太田宏介。既存戦力の復調が頼もしい今季だ。

■ワッショイも変わらないといけないのでは!?

そうした変化とも関連するんだけれども、このタグマ!でやっているWebマガジンの扱いについてどうしたらいいか、自分でもずっと考えてきている。特に『トーキョーワッショイ!プレミアム』の場合、

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