「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-5[H] アビスパ福岡戦『ヒーロー誕生、のはずが』(18.3.22)

『気温4℃。ほんとうに寒かったんだよ』2018.3.21

『気温4℃。ほんとうに寒かったんだよ』2018.3.21

2018年3月21日(水・祝)
J2第5節 東京ヴェルディ vs アビスパ福岡
16:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]3,048人 [天候]雨、弱風、気温4.0℃、湿度80%

東京V 1‐1 福岡
前半:0‐0
後半:1‐1
[得点]
1‐0 カルロス・マルティネス(69分)
1‐1 エウレー(88分)

●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF23 田村直也
DF3   井林章
DF4   畠中槙之輔
DF24 奈良輪雄太
MF8   内田達也
MF33 渡辺皓太
MF20 井上潮音
FW28 菅嶋弘希(58分 林昇吾)
FW9   ドウグラス・ヴィエイラ(89分 アラン)
FW11 林陵平(61分 カルロス)
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF2若狭大志、15林昇吾。MF16佐藤優平、27橋本英郎。FW7アラン・ピニェイロ、22カルロス・マルティネス)

監督 ロティーナ

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■力が、足りなかった

後半アディショナルタイム4分を経過し、清水勇人主審の笛。井上潮音は力が抜けるように、ばったりピッチに倒れた。身体を起こしてソックスを上げ、左ひざのあたりに手をやる。少し前から左足がつり、思うように動いてくれなかった。

頭上、大型ビジョンは1‐1の試合結果を示す。東京ヴェルディは、昨季3戦無得点だったアビスパ福岡から先制ゴールを奪うことに成功したが、終盤追いつかれ勝利を逃した。

パスを受け、さばき、よりいいポジションを取っている味方にボールをつける。チャンスの下ごしらえの仕事では、井上らしさが見えた。

「今日は全体的にボールを受けるまではよかったと思います。けれども、最後のところを打開し、得点に絡むプレーはできなかった。上の選手になっていくには、もっと崩しのアイデアを出し、結果を残さないと」

サイドに展開し、そこからの選択肢がクロスか、ボールを戻すしかないという手詰まり感はあった。

「後半はサイドからのクロスをシンプルに上げるという指示があったんですが、中央で違いをつくるにはインサイドハーフの選手がクロスやシュートなどを見せていかないとダメ。ここのポジションの選手が目に見える結果を出せなければ、J1昇格やもうひとつ上のレベルのチームになっていくのは難しい」

その姿勢をまったく出せなかったわけではない。28分、井上はふたりをかわしながら中へと切れ込み、シュートを放っている。ディフェンダーにブロックされたため、公式記録にはカウントされていないが。また、81分にはドリブルで突っかけ、フィニッシュまで持ち込もうとした。

「あそこはシュートしか考えてなかったです。カルロス(・マルティネス)や周りの選手の動きは見えていましたが、味方をオトリに使ってシュートを打つイメージでした。ただ、うまくそこまでいけなかった」

セットプレーのキッカーを務め、ゴール前に入れたボールはいずれも際どいコースに飛んだ。フィーリングは悪くないように思う。

「でも、入ってない。あれだけ蹴らせてもらったら、1本くらいは点にならないと」

左足をつらせながら、最後まで守備に走った。

「失点した場面、クロスを上げた選手にもっと自分が寄せていれば。結果を見れば、失点している。もっとやれるはずだし、勝たないと意味がない、と思うので」

(残り 2026文字/全文: 3463文字)

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