「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【新東京書簡】第三十八信『ところでイニエスタ』海江田(18.5.9)

新東京書簡

第三十八信 ところでイニエスタ

■原博実さんから聞いたイニエスタ

映画館の前、『タクシー運転手』と『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』のどちらにしようか迷った。で、結局、主演のソン・ガンホと光州事件を下敷きにしたという点に惹かれて前者へ。

力作でしたね。事件をよく知らなかったこともあり、ぐいぐい引き込まれた。でも、韓国映画特有の味つけの濃さがおれにはダメ。これが定評のあるクライムサスペンスならいいのよ。ポン・ジュノの『殺人の追憶』、ナ・ホンジンの『チェイサー』など、おれはその過剰さにやられたクチだから。ヤン・イクチュンの『息もできない』もそう。はきだめのような世界に純情キラリ。それがいい。

ま、映画はいいよね。取り返しがつくもの。日をあらためて、『トーニャ』を観にいけば済む。順番が違っただけで、どうせ両方とも観ることになったのだろう。大抵、大事なことは取り返しがつかない。

なんぼなんでもやりすぎだろと鼻白んだ映画の終盤は、イニエスタのことを考えていた。楽天グループが巨額を投じ、ヴィッセル神戸加入が噂されるアンドレス・イニエスタ。おぎやはぎのラジオを聴かなきゃな。小木博明は義弟のさくらヤロー、森山直太朗に絡めて何か言うだろうか。『そしてイニエスタ』を歌った直太朗。おれはラジオで『スギちゃんの歌』(You Tubeに落ちている)を聴いて以来、直太朗のファンだ。つらつら余計なことばかりが頭に浮かんだ。

(残り 1444文字/全文: 2046文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ