「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【直前インフォメーション】天皇杯‐2 カターレ富山戦のポイント(18.6.6)

今季初出場が見込まれる天皇杯のカターレ富山戦。柴崎貴広はそこにすべてをぶつける。

今季初出場が見込まれる天皇杯のカターレ富山戦。柴崎貴広はそこにすべてをぶつける。

天皇杯2回戦、東京ヴェルディは、J3のカターレ富山と19時から味の素フィールド西が丘で対戦する。フレッシュなメンバーで臨むことが予想される一戦。ここで結果を出すことは、戦力の底上げにつながる。

■なんだこの監督、とはならない

帰り際に呼び止められると、「天皇杯のメンバーは、どんな予想ですか?」と逆に訊いてきた柴崎貴広。こちらは当然、大幅に入れ替えてくると予想し、ゴールマウスには柴崎が立つものと見込んでいる。「じゃあ、一応そのつもりでしゃべりますね」。プロ18年目を迎えるベテランは、ややおどけながら話し始めた。

「自分を含めて、出られない選手にはいろいろな思いがある。チャンスを与えられたとき、しっかりやれることを証明したいです。とはいえ、個人ではなく、チームで戦う姿勢が大事。なおかつ結果を出すことが評価につながるゲームです」

昨季、柴崎はチームで唯一、42試合フルタイム出場を果たした。リーグ5位となり、クラブ史上初のJ1昇格プレーオフ出場の権利を手にした。間違いなく、チーム躍進の立役者のひとりだ。

ところが今季、先発のゴールキーパーに起用されたのは大分トリニータから新加入の上福元直人。柴崎は開幕からベンチに据え置かれた。

大量失点を喫したことがなければ、あからさまなチョンボをしたわけでもない。そもそも公式戦で自身のパフォーマンスを示す機会をただの一度も与えられなかった。それで出番を失い、バックアップの立場に引き下がるのを納得するのは難しい。むしろ、易々と丸呑みできるような選手はプロの競争社会に不適合だ。

「それでも、なんだこの監督、とはならないんですね。やはり昨年のチームが成長していく過程を知り、何より僕自身がすばらしい経験をさせてもらえたから。今季を戦ううえでの戦術的なチョイスを理解はしています」

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