「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-25[H] アルビレックス新潟戦『快刀乱麻のレアンドロ』(18.7.26)

『お祭りは大勢で』2018.7.25

『お祭りは大勢で楽しむ』2018.7.25

2018年7月25日(水)
J2第25節 東京ヴェルディ vs アルビレックス新潟
19:33キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]4,534人 [天候]曇、弱風、気温28.4℃、湿度68%

東京V 4‐3 新潟
前半:1‐2
後半:3‐1
[得点]
1‐0 オウンゴール(4分)
1‐1 安田理大(37分)PK
1‐2 田中達也(42分)
2‐2 ドウグラス・ヴィエイラ(59分)PK
2‐3 広瀬健太(67分)
3‐3 ドウグラス・ヴィエイラ(76分)
4‐3 アラン・ピニェイロ(90+2分)

●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF24 奈良輪雄太
DF3   井林章
DF4   畠中槙之輔
DF23 田村直也
MF8   内田達也
MF33 渡辺皓太(75分 レアンドロ)
MF38 梶川諒太
FW16 佐藤優平(55分 アラン)
FW6   泉澤仁(46分* 藤本)
FW9   ドウグラス・ヴィエイラ
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF5平智広。MF20井上潮音。FW7アラン・ピニェイロ、10レアンドロ、11林陵平、35藤本寛也)

監督 ロティーナ

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■洗練された巧妙なプレー

残り15分を切り、2‐3と東京ヴェルディの1点ビハインド。ここで、渡辺皓太に代わり、レアンドロがピッチに立つ。直後の76分、レアンドロのシュートがディフェンダーに当たり、ドウグラス・ヴィエイラがこぼれ球を蹴り込んで同点に追いついた。

レアンドロが見せたのは、洗練された巧妙なプレーだった。まず、動きに無駄がない。余計なことを一切しない。中盤ではパスをつなぎ、チームを前進させ、ゴール前ではシュートを打つ。ただ、それだけだ。

「ゲームのなかでは、状況によってシンプルなプレーが必要だ。たくさんボールをこねたり、ドリブルをするよりも、球離れを早くしてチーム全体でテンポを上げていき、よりよい状態でゴールに近づいていくのが大事になる」(レアンドロ)

土壇場の勝負になると、とにかく早いタイミングでゴール前にボールを入れ、攻撃の質よりも量、そこで起こりうるまぎれに賭けたくなるが、東京Vはそうしなかった。ゴールキックは最終ラインから徹底的にボールをつなぎ、人と人の間を丁寧に通していく。というのも、アルビレックス新潟のプレッシングは第一波をやり過ごせば、その後ろに広いスペースがあった。寄せ方が甘く、連動性も低い。

東京Vの決勝点はそこを突いた形で生まれる。90+2分、田村直也が縦に蹴り、コントロールしたドウグラスからレアンドロへ。そして、走り出したアラン・ピニェイロのスピードを殺さない、絶妙なラストパスだ。ボックスに侵入したアランは冷静にディフェンダーをかわし、右足でシュートを突き刺す。この際、クロスする動きで相手の注意を引いた藤本寛也と、後方からサポートを試みた奈良輪雄太のランニングも効いた。

後半の半ばを過ぎてからはオープンな展開になり、互いにリスクを背負った攻撃を仕掛けた。そこで生じた綻び、組織のズレや歪みは東京Vのほうが小さく、最終的にはその差だったように思う。

(残り 1393文字/全文: 2740文字)

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