「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-36[H] ヴァンフォーレ甲府戦『ままならなさは友なれど』(18.10.7)

『甲府とヴェルディの人が仲よくしてるなあと接近したら、バルサとアスレタだけどヴェルディ仕様ではなしという早とちり』2018.10.6

『甲府とヴェルディの人が仲よくしてるなあと接近したら、バルサとアスレタだけどヴェルディ仕様ではなしという早とちり』2018.10.6

2018年10月6日(土)
J2第36節 東京ヴェルディ vs ヴァンフォーレ甲府
15:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]6,460人 [天候]晴、弱風、気温26.6℃、湿度77%

東京V 0‐1 甲府
前半:0‐0
後半:0‐1
[得点]
0‐1 ジュニオール・バホス(72分)

●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF23 田村直也
DF3   井林章
DF5   平智広
DF24 奈良輪雄太(81分 林陵平)
MF8   内田達也
MF33 渡辺皓太
MF16 佐藤優平
FW35 藤本寛也(51分 泉澤)
FW7   アラン・ピニェイロ(64分 李)
FW9   ドウグラス・ヴィエイラ
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF4香川勇気。MF17李栄直、20井上潮音、6泉澤仁。FW10レアンドロ、11林陵平)

監督 ロティーナ

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■まさか、最初で最後の決定機になろうとは

いろいろと予想しづらいことが起こる。

もっとも、自分の思ったとおりになると考えていなければ、期待もしていない。機械的にコンスタントな成果が出るのであれば、結果を確認するだけで事足りる。むしろ、そんなことがあるんだとあっけに取られたり、心を揺さぶる出来事に遭遇したくてスタジアムに足を運ぶ。

フラストレーションや飽き足らない感情もまた、身近である。二度目のJ2降格からちょうど10年目のシーズン、あらゆるままならなさを友としてきた。一部の常勝チームを除き、大半のクラブの住人はそんなものだろう。そうでもしなければ、やっていられない。

それにしても、だ。ほんの一ヵ月ほど前まで好材料に満ちていたチームが、このような事態に直面しようとは思いも寄らなかった。

ヴァンフォーレ甲府をホームに迎えた一戦。東京ヴェルディの立ち上がりはよかった。相手をうまくいなしながらパスを回し、詰まりかけたら長いボールを使って奥行きをつくる。ここ数試合とは打って変わり、風通しのいいサッカーになっていた。

ひと際目立っていたのは、トランジションの鬼である渡辺皓太だ。持ち前の高度なアジリティを発揮して相手に寄せ、攻撃に転じれば迷いなく前にボールを運ぶ。やっと帰ってきたなあと、僕は無邪気に喜んだ。

5分、東京Vに最初の決定機。佐藤優平のパスを田村直也がスルーし、藤本寛也の足元へ。ゴールに向かって曲がり落ちるクロスに、アラン・ピニェイロが頭で合わせる。しかし、コースが甘く、ボールは岡大生の胸に収まった。

まさか、これが最初で最後の決定機になろうとは見通せるはずがない。

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