「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【フットボール・ブレス・ユー】第37回 フランス便り ~ACアジャクシオ 澤井直人~(18.10.10)

第37回 フランス便り ~ACアジャクシオ 澤井直人~

「こんにちは!」。砂浜をランニングしていた澤井直人に投げかけられた声。久しぶりに聞く生の日本語だった。「澤井さん、ですよね?」と言葉を継ぐのは現地在住の日本人女性。8月20日、フランスのリーグ・ドゥ(2部)、ACアジャクシオへの期限付き移籍が発表されたのをニュースで知り、気に留めていたという。

「フランス人の旦那さんがいて、アジャクシオで翻訳の仕事をされている方でした。日本語を聞けるだけで、本当にうれしかったですね。いつもフランス語と英語で頭をフル回転させて、気を張って過ごしていたので、何も考えずに人と話せるのはこんなにいいことなんだと」

地中海に浮かぶ、美しい海に囲まれたコルシカ島(コルス島とも呼ぶ)。ナポレオン生誕の島と知られ、バカンスの時期は多くの観光客が訪れる風光明媚なリゾート地だ。

島で最大都市のアジャクシオでさえ人口は7万人に満たない。日本とのなじみは浅く、テレビのバラエティ番組『世界の村で発見!こんなところに日本人』の世界である。

「もうひとり、アジャクシオで暮らしている知り合いの日本人がいると聞き、今度、3人でお茶をしましょうと約束しました」

アジャクシオ日本人会がめでたく結成された瞬間だった。

持ち前の愛嬌も手伝ってか、気の置けない友人もすぐにできた。ほぼ同時期に加入したイケア・エメリック。年齢は澤井のひとつ下のフランス人選手だ。ともにセカンドチームで鍛錬の日々を送り、ピッチ外でも行動をともにすることが多い。

 

住まいから徒歩10分でビーチ。写真は澤井直人とほぼ同じ時期に加入し、仲よしになったイケア・エメリック。エメリックよ、会ったことないけど、なんだそのポーズは。

住まいから徒歩10分でビーチ。写真は澤井直人とほぼ同じ時期に加入し、仲よしになったイケア・エメリック。エメリックよ、会ったことないけど、なんだそのポーズは。

(残り 2382文字/全文: 3175文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2 3
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ