「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【この人を見よ!】vol.31 華麗さの裏側に ~MF16 佐藤優平~(18.10.24)

シーズンが深まるにつれ、特長の攻撃センスを発揮する機会が増え、存在感を増してきた。今季、モンテディオ山形から加入した佐藤優平。現時点で21試合6得点の数字は、ゴールのお膳立てを得意としてきた彼のキャリア史上、エポックな出来事だ。
意のままにボールを操る技術と攻撃の多彩なアイデア。華麗なプレースタイルの裏側には、チームを助けるガッツ、そしてサッカーに生きる人の気骨が根をおろしている。

■あけすけすぎるほどあけすけな物言い

今季の新加入選手のなかで、大幅に予想を裏切られた選手である。むろん、いい意味で。

移籍後初出場はJ2第2節のヴァンフォーレ甲府戦(0‐0△)と早かった。次に出番がやってきたのは第12節のFC町田ゼルビア戦(1‐4●)。初先発は第17節の横浜FC戦(2‐2△)まで待たなければならなかった。その試合で佐藤優平は今季初得点を決めている。

プレシーズンの沖縄キャンプが終わった直後、佐藤がチームと自身の現状について、長々と語ったことがあった。

「ロティーナ監督のサッカーは、簡単に言ってしまうとポジションを固定するやり方。流動性が少なく、誰がどこにいるかわかり切っている分、相手から捕まえられやすい面がある。そのへんの課題は川崎との練習試合ではっきり見えましたよね」

ロティーナ監督の導入したポジションプレー(ポジショナルプレーとも)という戦術の根幹は、ピッチを縦に5分割してレーンを設定し、横は自陣ゴール側からゾーン1、2、3と3つに分ける。これだけでは何も語ったことにならないが、チームの規律はボールのある位置と選手の立ち位置によって示される。

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